65話、マゾリンピック

 

ネオガイア星人の支配する星間国家はいくつかの星系から成り立っている。そのうちのひとつ、惑星ネオオリンピアはスポーツ惑星だった。惑星の環境は地球やネオガイア星とほぼ同じで大気成分や重力は運動に適している。大自然に恵まれた気候の温暖な惑星でスポーツの振興が盛んだった。ここでは、1年に一回、ネオガイア人の住む各惑星から、スポーツ選手が集まり、互いの技を競い合う宇宙オリンピックが開かれる。今年は、正規のオリンピック種目のほかに、地球発見を記念して、地球人種目が追加された。出場するのは地球から誘拐されてきた奴隷状態のスポーツ選手たちである。競技内容は現在の地球で行われている競技にネオガイアオリンピック委員会がアレンジを加えたものである。地球人の部は、奴隷たちが屈辱的な競技ばかりを行うため、通称『マゾリンピック』と呼ばれることになった。大会の様子はもちろん、宇宙中に中継される。まず第一種目は『女子浣腸5000cc』だった。選手たちは5000ccの浣腸をされた上で5000メートルを走るのだ。その間、肛門からは、一滴のウンチや浣腸液も漏らしてはならず、もし漏らしたらその場で失格となる。上位3名にはそれぞれ、金、銀、胴、の貞操帯が授与される。その貞操帯には、オナニーせずにそのエネルギーをスポーツに昇華させなさい、という意味がこめられている。4位以下は処刑されるため、出場選手たちにとって、まさに命がけの競技だった。

 

 まず最初に10名の競技参加者に5リットルの大量浣腸が施された。地球各国から誘拐されてきた陸上競技の女子選手たちである。上位3名しか生き残ることは出来ないため、7名は競技終了後、生きてはいない。選手たちは裸の肉体にスポンサー企業のロゴやキャッチコピーを刺青されていた。競技の映像が全宇宙に流されたときに宣伝になるのだ。5リットルの大量浣腸は恐ろしい苦痛だった。ポンプで強制的に注入される浣腸液は大腸から小腸まで逆流し、選手の下腹部が異様に膨れ上がった。選手たちは注入が終わると、肛門の括約筋をあらん限りの集中力で締め上げ、吹き出ようとする排泄物を塞き止めた。

「さあ、準備が終わり、選手たちが一斉にスタートラインにつきました。かなり、苦しそうです。」

まだ走ってもいないのにすでに選手たちの肉体は汗でビッショリである。負ければ処刑されるのだ。

「用意、スタート!」

ブザーが鳴り、10名の選手が猛ダッシュでスタートを切った。しかし、力みすぎて、一人の黒人選手がウンチを漏らしてしまった。

「あーっと、いきなり失格者が出ました!」

レーザー砲が黒人選手に撃ち込まれ、選手は黒こげになって死亡した。

「いやあああっ、死にたくないいいいっ!」

選手たちが絶叫した。しかし、生き残りたければ上位3位に入らなければならないのだ。5000メートルは競技場のトラックを30周だった。すぐに、息があがり苦しくなってきたが、肛門の括約筋から力を抜くわけにもいかない。トップを走っていたイタリア人選手が、ふとした気の緩みから、脱糞し、射殺された。後続の選手たちは屍を乗り越えて走り続ける。

「生きたい、生きたいわ。こんなところで死にたくないっ!」

「どうして、あたしがこんな目に・・・」

「お腹が苦しい・・・もう駄目っ!」

次々と脱糞した選手が射殺されていった。もはやスピードよりも括約筋を競う競技となっている。選手たちは想像を絶する便意と戦いながら、最終的に5人が生きたままゴールインした。選手たちはゴールと共に倒れこみ、その場に大量の黄金水を撒き散らした。10分後表彰式が行われた。順位どおりに表彰台に並ばされた選手たちは、金、銀、胴の貞操帯を渡され、とまどいながら腰に装着した。鍵は電子ロックになっており、次の大会まで外すことは出来ない。つまりオナニーは永久に禁止なのだ。そんな余計な体力があるのなら、日々、クタクタになるまで練習に励まなくてはならない。4位と5位の選手はアンドロイドに取り押さえられ、必死に抵抗したが、観客と全宇宙の視聴者が見守る中で射殺された。

 

 第二種目は男子選手によるオナニー選手権だった。競技内容はいくつかに分けられ、まず飛距離が競われることになる。筋骨逞しい選手10人が横一列に並ばされた。白人、黒人アジア人など様々な人種の男たちである。この種目でも上位3位以外の成績の選手は試合終了後、射殺されるためまさに命がけの競争である。全裸で整列した選手たちの下半身は剥き出しで硬直したチンポが天を向いてそそり立っている。上半身にはスポンサー企業のロゴやキャッチコピーが刺青されている。オナニー競技というのは元々地球のスポーツには無いため、出場する選手は全く畑違いのスポーツ種目の選手たちで、宇宙人に誘拐された後、強制的にオナニーのトレーニングを即席で行っただけで、全員キャリアは浅い。

「さあ、まずは、男子オナニー、飛距離からです。」

スタートのブザーが鳴り、10人の選手は一斉にチンポをしごき始めた。精液を発射する角度、勢いが全ての勝敗を決めることになる。数分後、最初の選手が、うめき声と共に精液を飛ばした。精液は白い固まりとなって宙高く飛び、放物線を描いて地面に着地する。アンドロイド審判員が赤外線測定器で瞬時に正確な距離を割り出した。

2メートル65センチデス。」

良くも悪くもない数字だ。観客が固唾を呑んで見守る中、次々と選手たちが射精した。

3メートル42センチデス」

2メートル94センチデス」

最後にケニア出身の黒人選手が、射精管を指で押さえ、ギリギリまで圧力を高めてから指の力を抜いた。

「うおおおおっ、いくううっっ!」

雄たけびと共に精液が黒いチンポの先から発射された。精液は弾丸のようなスピードで飛翔し、誰よりも遠くへ飛んだ。

4メートル87センチデス」

競技場が大歓声に包まれた。その選手は見事に飛距離の記録が一位となり、金のノーズリング(鼻輪)が送られた。普通の種目の場合、金の貞操帯なのだが、さすがにそれだと競技が出来ないため、オナニー競技の選手だけ特別加工されているのだ。4位以下の選手は処刑され、続けて、男子オナニー回数、男子オナニースピードが実施された。回数は規定の濃度以上の精液が何回射精出来るかを競い、スピードはスタートしてから射精するまでの時間を競うことになる。回数ではタイ人の選手が17回で金を獲得し、スピードでは日本人の選手が1,7秒の新記録を打ち立てた。

 

 続けて、女子、男子の重量挙げが行われた。しかし、通常の重量挙げではない。選手は両手を後ろ手に手錠をはめられ、女子は乳房に、男子はチンポの根元に結び付けられたワイヤーで錘を持ち上げるのだ。当然、より重量の多い錘を持ち上げた選手が優勝となるのだが、無理をすれば、乳房やチンポが引きちぎれる危険がある。といっても4位以下になると、どのみち処刑される運命が待っているので、選手はギリギリの状況で競技に挑まなければならない。開始のブザーがなり、女子、男子、それぞれ10名づつの選手が一斉に足を踏ん張り、序々に腰をあげた。ゆっくり、慎重に体を起こさないと、ワイヤーでチンポや乳房が切断されてしまう。錘をぶら下げたまま、仁王立ちのポーズで10秒間耐えることが合格の規準である。最初の錘1キログラムは全員がクリアした。続けて、1キロづつ錘が追加されることになる。選手たちの顔が恐怖と苦痛で真っ赤に染まり、全身から汗がタラタラと流れている。次々と錘が追加されていったが、なかなか失格者は出ない。24キログラムではじめて男子選手に脱落者が出た。ブラジル出身のその選手は、伸びきったチンポが切断される恐怖に耐え切れず、失禁したままその場に座り込んでしまったのだ。失格になった後、その選手は悔しさのあまり、その場で泣き続けた。一人目の失格者の後、次々と脱落者が出た。ギブアップするもの、苦痛のあまり失神するもの、中には無理をして、チンポや、乳房が千切れてしまうものも続出である。チンポや乳房は鍛えようと思っても鍛えられる箇所ではないのだ。まず、男子の勝敗がついた。金はスウェーデン人選手の38キロだった。女子は思ったよりも記録が伸びた。巨乳のデンマーク人選手がなんと124キロもの錘を持ち上げたのだ。女子重量挙げでは、先天的な身体特徴が最も重要な勝敗の鍵となることは明らかだった。上位の女子選手たちには金銀胴の貞操帯、男子選手にはノーズリングが授与された。

 

 次の種目は、男女混合浣腸リレーである。各チームごとに男2名、女2名が交互に、トラック一周200メートルを走る。当然リレーされるのはバトンではなく、排泄物である。地球各国から誘拐されてきた選手団の10チームの第一走者がスタートラインについた。トップは女子選手である。彼女たちは全裸で、お尻を高々と上げて、サポーターから500CCの浣腸を受けた。各自、手には排泄物受け渡し用のチューブを握っている。ブザーが鳴り、全員が全力疾走で猛ダッシュを切った。肛門の筋肉が緩んで、排泄物を少しでも漏らすとそのチームは失格となる。選手たちは下腹部に、気持ちの悪い異物感を感じながら、それでも、アナルの筋肉を引き締めながら、素晴らしいタイムで200メートルを走り切った。そして第二走者の男子選手に排泄物の受け渡しが行われる。第一走者の女子選手は受け渡しラインの少し手前から、チューブの片方の端を自分の肛門に突っ込み、男子選手の横に並ぶと同時に相手の肛門にもう片方の端を深々と差し入れる。そしてなるべくスピードを落とさないように助走しながら、括約筋を緩め、我慢していた排泄物と浣腸液を一気に解放した。チューブを通して500CCの浣腸液とウンチの混ざったドロドロの液体が男子選手の直腸に注入されていく。チューブには計量センサーがついており、前回の注入時を上回る量が逆流しないとリレーされたとは認められない。第二走者に注入された排泄物の量は第一走者のウンチも加わり800CCを超えた。各チームとも受け渡しが終わると、第二走者が猛ダッシュをかける。この競技ではいかにスムーズに排泄物の受け渡しが行われるかが勝敗のポイントとなるのだ。第三走者、第四走者とリレーされる度に、前の走者のウンチが追加され、注入量は増えて行った。受け渡しに失敗し、排泄物を漏らしてしまった2チームが失格となり、走行中に漏らしてしまった1チームも失格となる。彼らは連帯責任をとらされ、全員競技終了後に処刑されることになるだろう。そして最後のアンカーの男子選手は2000CCもの他人の排泄物を下腹部に収めたまま、全力疾走しなくてはならなかった。地球ではプライドの高かった選手たちも、情けなさに涙を浮かべながら、それでも命がけで、ベストを尽くしてゴールまで走り抜けた。結果は、金ロシア、銀スペイン、胴インドの順だった。各選手には次の大会まで外されることのない貞操帯が授与された。

 

 その後も次々と極悪非道の競技が行われた。女子レズリングでは全裸の選手が相手選手を押さえ込み、体やオマンコをこすり付けて、先に相手をイカせた方が勝ちとなる。男性版の男子ホモリングも同様である。その他、男子のチンポコ綱引きや、女子のクリトリス綱引きもある。これらの競技では、先にチンポやクリトリスが千切れた方が負けなのだ。女子新体操、シンクロ、体操などでは、極太バイブを股間に挿入したまま容姿端麗な美女たちが全裸で演技を競い合った。特に新体操ではリボン、ボール、バトン等の他に、バラ鞭、一本鞭、ロウソク、などの道具を使った演技が追加され、選手たちは柔らかい体で様々なポーズをとりながら、自分の体に鞭を打ったり、ロウソクをたらしたりして喘ぎ声をあげた。体操の鉄棒ではあらかじめ、肛門に大量の浣腸液を注入していたルーマニアの女性選手が大車輪を行いながら噴出し、空中に綺麗な茶色の放物線を描いて、最高得点を獲得した。これらの美を競う種目に参加した選手たちは、あまりにも、もったいないので他の競技に参加した選手たちのように処刑されることはなく、競技終了後に奴隷市にかけられ、観賞用の愛玩奴隷としてネオガイア人の金持ち達に競り落とされた。金銀胴を獲得した選手たちの肉体には、大会の開催年度と記録が刺青で彫り込まれ、獲得したメダルのマークも彫り込まれる。今後、プレミアのついた彼女たちはメダリストとして、奴隷市場で、高値で売買されることになるであろう。4位以下の選手たちの体には記録と年度だけが彫り込まれた。

 

 マゾリンピックの最後を飾る競技種目は、女子全裸トライアスロンだった。この種目はあまりにも過酷である。スタートラインについた総勢100人の女性選手たちには、競技中に互いに暴力をふるってほかの選手を妨害することが認められている。まず、最初は全裸マラソンからだった。開始のブザーと共に走りだした選手たちに、いきなりネオガイア人の観衆たちが襲い掛かった。選手たちがネオガイア人に反撃することは許されていない。観衆に捕まった女子選手たちがいたるところで押し倒され、輪姦が始まった。それでもどうにか、観衆を振り切って走り続ける選手もいる。10キロに及ぶマラソンコースを走り抜けた後は、サイクリングレースだった。何人もの観衆に犯されながら、自転車コースのスタートラインにたどり着いた選手たちは、そこに並べられている自転車を見て青くなった。自転車のサドルにはペニスを模った極太バイブが天を向いている。そのバイブをオマンコに挿入しないと自転車をこぐことが出来ない。選手たちは張り裂けそうになる痛みをこらえながら自転車にまたがった。この時点では、マラソンレース中にレイプされ、何人もの観客の精液をオマンコに注ぎ込まれいる方が潤滑油となって、挿入には有利である。自転車が走り出すと共に、発電が行われ、バイブが振動を始めた。つまり早くこげばこぐほど、振動が速くなるのだ。

「ああああっ。いくうう!」

選手たちは顔を上気させ、喘ぎながら懸命に自転車をこいだ。10キロに及ぶサイクリングコースを走り切り、湖のほとりにたどり着いた選手たちは、自転車を放り出し、水泳コースである湖に飛び込んだ。この湖の対岸までの5キロを泳ぎ切れば、この種目のゴールインである。しかし、この湖には鮫やピラニア、ワニなどの凶暴な生き物が大量に放たれていた。

「きゃああああ!助けてええ!」

「あ、足が、足がああああっ!」

湖に飛び込んだ選手たちは次々に、これらの生き物たちの餌食になって行った。湖が血で赤く染まり、ピラニアに肉を削ぎ落とされて白骨化した選手たちの死体が水面に漂っている。血の臭いを嗅いでさらに多くの生き物たちがコースに群がり、選手たちを餌食にして行った。

「おおーっと、これは大変!湖に飛び込んだ選手たちが全滅です。誰も生き残っておりません!」

遅れて、湖のほとりに到着した選手たちは、あまりにも惨たらしい惨状を目の当たりにし、湖に飛び込むのをためらった。しかし、レースを途中で放棄することは許されず、サポーターのアンドロイドによって、無理矢理、湖に突き落とされる。

「いやああっ、死にたくないっ!」

もはやレースどころではなく、選手たちはパニックになって水中でジタバタと暴れたが、あっという間に群がってきた鮫に手足を食い千切られ、ピラニアに肉をこそげ取られて絶命した。選手は全員が死亡し、勝者は誰もいなかった。

「少し、条件が厳しすぎたかな・・・」

競技を企画したマゾリンピック大会委員長は罰が悪そうに薄ら笑いを浮かべながら反省した。こうして全種目が終了し、第一回マゾリンピックは幕を下ろした。出場した地球人選手の半分以上が処刑され、残りは金銀銅の貞操帯や鼻輪をはめられて、来年に向けてトレーニングすることになった。曲芸奴隷として売却された新体操や、シンクロ選手たちもそれぞれの買い手の元に引き取られていった。ネオガイア人の地球侵略はまだまだ続く。

 

第66話、レンタルショップ

 

地球に駐屯している宇宙母艦オリンポスの艦内にある、ウラノス博士の研究室を一人のネオガイア人の実業家がおとずれた。ソロン財閥の地球支社の支社長であるクセノフォンである。

「はじめましてウラノス博士。お噂はかねがね、伺っております。」

クセノフォンは丁重に挨拶をした。DNAや遺伝子実験の権威であるウラノス博士の研究室には実験中の地球人の実験体の入ったカプセルや、地球人から採取した人体標本、電子書籍などが散乱している。地球にいる限り、DNA研究に必要な実験材料には不自由せず、この半年間でウラノス博士の研究は飛躍的に進歩していた。

「それはどうも。私の研究成果を何か、買いに来られたのですかな?クセノフォン支社長」

「はっはっはっ、その通りです、博士。これは話が早い」

クセノフォンが目をつけていたのは、ウラノス博士が最近完成させた新しい、人間のクローン技術だった。ウラノス博士が完成させた新しいクローン技術を使えば、短時間のうちに同じ人間を大量に生産することが出来る。

「この技術を何に応用されるのですかな?」

要請を受けたウラノス博士は尋ねた。

「実は・・・」

クセノフォンが説明したのは人間のレンタルショップのチェーン店を作る、という事業構想だった。どうやら、地球のレンタルビデオショップのアダルトコーナーを見てヒントを得たらしい。つまり、地球人の美女たちをクローン技術で大量にコピーし、本物の人間をセックスの相手として、ビデオ並みの安い値段でレンタルするのだ。これで性欲を持て余しているネオガイア人青年たちの悩みを、一気に解消することが出来る。

「しかし、問題がある。わしの技術で作ったクローン人間は寿命が3年しかなく、もちろんセックスは出来るが、子孫を残す能力がない。」

「子孫を残せない、というのは返って好都合ですが、寿命が3年というのは・・・まあ、死ねばまた新しく、コピーすればいいか・・・」

話はまとまり、ウラノス博士は技術供与と引き換えに莫大な報酬を受け取った。クセノフォンはネオガイア本星へと連絡し、すぐに事業の実現化へ向けて行動を開始した。

 

 それから一ヵ月後、レンタル人間ショップ第一号店がネオガイア星の首都メガポリスに開店した。誘拐された地球人の美女たちを元に複製されたクローン人間たちが店内にところ狭しとギッシリ並べられている。彼女たちはそれぞれ、オリジナルの地球人女性が働いていた職業にあわせ制服を着せられていた。女子高生コーナー、看護婦コーナー、スチュワーデスコーナー、女教師コーナー、OLコーナーなどありとあらゆるジャンルのクローン美女がそろっている。もちろんクローン人間たちにはオリジナルの女性からコピーした記憶がそのまま植えつけられており、中には自分がクローン人間だということに気づいていない者さえもいる。彼女たちにはひと目で本物の人間と見分けられるようにするため、額の真ん中にレンタル人間ショップのロゴマークが刺青されていた。開店初日は、大盛況だった。オープン期間中は特別サービスで一週間、わずか100タラントで貸し出されることになっっている。100タラントは、ほぼ、ネオガイア星の缶ジュース一本分の値段と同じである。電子広告の効果もあってか、大勢の寂しい男たちが詰めかけ、次々と美女のクローン人間をレンタルしていった。

「君、名前は?」

「萩野愛美です。」

「年齢は?」

26歳です」

「ふーん、この制服は何?」

「これは、JAM航空のスチュワーデスの制服でございます」

ネオガイア人青年は遠慮なく、愛美の胸やお尻を制服の上から撫で回し、感触を確かめた。

「これにしようかな・・・」

ネオガイア人青年は身分証明書を見せて会員カードを作り、スチュワーデスの萩野愛美をレンタルしていった。

「一週間レンタルでよろしいですか?」

「ああ・・」

「延滞されると延滞料金を頂きます。不慮の事故で商品が破損した場合は、当社の保険が効きますが故意に破損された場合はお客様の方で1万タラントのご負担となります」

「わかってるよ・・・」

一人で、数人のクローン美女をレンタルしていった男性客もいる。ローコスト商品のため、狭い店内の陳列棚にギッシリと約千人のクローン美女が並べられていた。彼女たちはあっという間にレンタルされていき、開いたスペースには貸し出し中の札がかけられた等身大の立体グラフィックスが代わりに投影された。視察に来ていたクセノフォンが第一号店の店長にアドバイスをした。

「この商売は回転率と商品管理がポイントだ。いかに回転率の高いクローンをより多く陳列し、回転率の悪いクローンを早めに処分するかだ。そのためのデータには常に気を配るのだぞ」

「わかりました、クセノフォン支社長」

第一号店が成功すると、続いてネオガイア星の各都市に次々とチェーン店がオープンしていった。合成たんぱく質を材料にしたクローン美女はあっという間に生産されていく。クローンたちの普段の食事には粒上の栄養凝縮剤が配られ、睡眠は店内の陳列台に立ったまま眠る。体の洗浄は順番に店内に一箇所だけあるクリーニングボックスに連れて行かれ、一人一回につき一分間で雑用アンドロイドによって洗浄された。その他、衣装の洗濯交換、化粧や排泄は陳列台に立ったまま、アンドロイドの補助によって行われる。万が一にも逃走したり、ネオガイア人に反抗したりしないよう、生産段階で深層意識に刷り込みがされているため、過酷な状況でも彼女達はいたって従順である。クローン人間の維持管理をいかにローコストに行うかが、この事業の成功の鍵となるのだ。第一号店のオープン初日にレンタルされたスチュワーデス、荻野愛美のクローンは、独身のネオガイア人青年によって6畳一間の狭いワンルームマンションに持ち帰られ、あらゆる体位で散々に犯された。ネオガイア星の社会では、ネオガイア星人による売春が厳しく禁止されており、風俗店ではアンドロイドのダッチワイフがセックスの相手をしているだけである。つまり、彼女いない暦、二十数年の青年にとって、本物の女性とセックスするのは生まれて始めてだったのだ。青年は一週間のレンタル期間ぎりぎりまで、何度も何度も愛美を犯し、思う存分セックスを堪能した。

「次は何を借りようかなっと」

青年はスチュワーデスの萩野愛美を返却した後、女教師モノを借りることにした。

 

 青年の名はトリトンといった。23歳のごく普通のネオガイア人の青年で、エネルギー供給施設での整備士の仕事をしている。今までネオガイア人の普通の女性と付き合った経験はない。トリトン青年は毎週のようにレンタル人間ショップで地球人のクローン女性をレンタルしては、セックスにふけっていた。最初の頃は刺激的で休日など、精液が枯れてチンポが立たなくなるまでクローン女性を犯し続けたが、ほとんど全てのジャンルを一通りレンタルしてしまうと、やがて、飽きが来た。クローン女性は深層意識に刷り込みがされているため、借主にはいたって従順で、遺伝子に欠陥があるため、いくらセックスしても妊娠することはない。結局、快楽のためだけに存在する生きた人形で、本物の人間ではない。トリトンは日々の習慣としてクローン女性を抱きながらも虚しさを感じ、以前にも増して本当の彼女が欲しくてたまらなくなってきた。そんな時、トリトンは友人から、ある噂を聞いた。

「やあ、トリトン、元気かい?実は、最近流行のレンタル人間ショップのことで、ちょっと、面白い噂を聞いたんだ。」

「どんな噂だい?」

トリトンは興味深々で尋ねた。

「レンタルしたクローン女性のお尻に製造番号が刺青されているのは知ってるか?」

「ああ、知ってるよ。商品管理のためのものだろ」

「実は、その製造番号が0000番というのがいて、それはクローン人間ではなくオリジナルらしい

「オリジナル?」

「つまり、クローン人間を作る、元になった本物の、地球から誘拐されてきた女だ。」

「まさか、そんなものが他のクローンと混じって店頭に並んでいるのか?」

「噂だけどね。話によるとオリジナルは妊娠もするし、3年たっても細胞異常は起こらず、死なないということだ」

トリトンは半信半疑だった。しかし、その話が本当なら探してみようと思った。

 

 翌日、仕事が終わると、トリトンはいつもよく行くレンタル人間ショップへ行った。そして店頭に並んでいる様々な制服を着たクローン女たちのスカートをめくって、パンティをずらし、お尻に刺青されている製造番号を確認していった。店員が非難がましい眼差しを向けているが、夢中になっているトリトンは、気付いていない。一時間ぐらいかけて、数百人の女のパンティをずらし、ついに目的のものを発見した。

(見つけたぞ!製造番号0000番の女だ!)

その女は『メガネフェチ、OLのお姉さん、五十嵐由紀子23歳』というタイトルの札が首からぶら下げられている。どことなく、表情が他のクローン女たちよりも悲しげな雰囲気がする、メガネをかけた理知的な女だ。トリトンはその女の手を引いて、店のカウンターへと連れて行き、会員証と一緒に店員に提示した。

「いらっしゃいませ。」

店員はマニュアルどおりの言葉で対応すると、トリトンの会員証とレンタル女の額のロゴマークにセンサー端末を押し当て、レジを計上した。支払いはトリトンの契約している電子マネーの口座から自動的に支払われる。

「一週間レンタルで350タラントです」

トリトンは無言でうなづいた。レシートが渡されると、トリトンはレンタル女、五十嵐由紀子の手を引いて、店を出た。由紀子はピンクの可愛らしい,地球のOLの制服を着ている。レンタル女は深層意識に逃亡防止の刷り込みがされているため、その心配は無いはずだったが、万が一逃亡した場合は紛失扱いになり、トリトンが弁償しなくてはならない。トリトンは自分の狭く汚いワンルームマンションに由紀子を連れ帰った。

「お前、製造番号が0000番だが、本当にオリジナルなのか?」

トリトンはぶしつけに尋ねた。レンタル女は商品なので、本物の女性と会話する時の様な気遣いや気兼ねはない。

「オリジナル?・・・そうよ、あたしは本物の人間よ。クローンじゃないわ。会社のオフィスで仕事をしていたら、突然、白い光に包まれて、気がついたら、宇宙船の中の様な所にいたのよ」

「噂は、本当だったんだ!」

「でも、クローンもみんな、コピーされるまでの、同じ記憶を持っているわ。クローンの中には自分がクローンだと信じられない者もいるみたい」

「クローンは寿命が3年で、子供が作れないんだ」

「あたしは、違うわよ、本物の人間よ。でも、時々、自分がクローンかもしれないって思うときもあるわ」

トリトンは、直感的にこの女は本物の人間に違いないと確信した。おもむろに、ズボンを脱ぐと、由紀子に抱きつき、遠慮なく制服の上から体を撫で回した。

「しゃぶれ」

例えオリジナルだとしても、誘拐されてから今まで、数十人の男に貸し出され、陵辱されてきた由紀子は従順にトリトンのチンポを口に含むと、熱心にしゃぶり始めた。

(ああ、地球に帰りたい・・・なんでこんなことになったのかしら・・・)

由紀子は、地球にいる両親や兄弟、恋人のことを思い出した。それが、本物の記憶なのか、コピーされたものなのか、最近自分でも次第に自信が無くなってきている。トリトンは何度も何度も、様々な体位で由紀子を犯し、アナルセックスや膣内射精など、ありとあらゆるエッチな欲望を満足させた。そして、1週間のレンタル期間が過ぎようとしたとき、トリトンが言った。

「君を紛失したことにしようと思う。紛失した場合は一万タラントの商品代金を払えば問題ないはずだ」

一万タラントといえば、トリトンの一ヶ月の給料の20分の1ぐらいの金額である。たいした額ではない。

「すいません、レンタルしたクローン人間がいなくなってしまって・・・」

「お客様の過失で紛失された場合は、一万タラントをお支払い頂くことになりますが・・・」

「ええ、それは構いません」

トリトンは一万タラントを電子マネーで支払った。店員は回転率の悪い商品を、高値で処分出来た、と内心喜んでいた。普通なら、使い古したレンタル女を、中古で処分販売する場合、高くても5000タラントが相場である。

「これで、永久に君は僕のものだ」

さえない青年のトリトンは由紀子に言った。今まで、女性にもてた事も無く、口下手で、仕事上でも女性と接する機会の無いトリトンは、結婚や普通の女性と付き合うことを完全

にあきらめ始めていた。トリトンはそれから幸せな毎日を送った。ワンルームマンションでの由紀子との同棲生活は窮屈だったが、由紀子はあまり文句を言わなかった。由紀子の額に刺青されたレンタルショップのロゴマークは、普段の生活ではヘアバンドやバンダナで隠すようにした。毎晩のように、トリトンは由紀子とセックスし、特に避妊もせずに中出しで、性欲の捌け口にしたが、由紀子は一向に妊娠する気配はなかった。

(まさか、こいつ、オリジナルじゃなくてクローンかも・・・)

トリトンは漠然とした不安を覚えた。もしクローンなら、製造後3年たった時点で細胞異常を起こし、増殖した異常細胞によって肉体が崩壊し、とうてい正視出来ないような姿で苦しみ悶えて死んでしまう。普通はその直前に製造者によって回収され、分子破壊装置にかけられて、苦しむ事なく消滅させられることになるのだが。

(ま、いっか。そのうち判る事だ・・・今さえ楽しければ、それでいいじゃないか)

トリトンは不安をねじ伏せ、無理矢理そう、自分に思い込ませようとした。

 

第67話、星間航路

 

工藤明日香(28歳、元戦闘用サイボーグ)は、ソロン財閥の人間乗馬クラブの厩舎で、雑用係として働いていた。度重なる戦闘で負傷した肉体は、ほとんどが機械に置き換えられている。下半身は安物のアンドロイドの錆びたボディで、両腕はU字型のマジックハンドである。上半身は生身の肉体だったが、メイド服の模様を素肌にボディペインティングされ、欠損した左乳房の傷口は胸当てで隠されている。顔は、重度の損傷は少なかったが、歯はほとんどが折れたままで、義歯も入れられず、美しかった顔には縦横無尽に醜い傷跡が走っている。明日香は絶望に満ちた思いで、他の雑用アンドロイドたちと共に、地球から送られてきた人間馬たちの世話に日夜明け暮れていた。

(サイボーグ戦隊のみんなは今ごろ、どこで、何をしているのだろう?優香や麗美、渚沙は元気で戦っているのかしら・・・)

明日香は懐かしそうに思い出にふけった。麗美が死んだことも、渚沙が重症を負ったことも知らない。しばらくの間、自分の体の半身だった健吾の最後は鮮明に覚えていた。

(健吾、なぜ死んでしまったの・・・この世界は、あたし一人で生きて行くには、過酷すぎるわ・・・)

明日香の目頭が熱くなった。涙がこぼれ落ちそうになったとき、雑用アンドロイドたちに召集がかかった。乗馬クラブの支配人、ミノスがアンドロイドたちを待っていた。

「お前たちの何体かを新型の雑用アンドロイドに入れ替える。乗馬クラブの業績が伸びてきたので、本社が予算をたっぷりとくれたんだ」

ミノスがお払い箱になる旧式アンドロイドの個体番号を読み上げた。その中に明日香の名前も入っていた。明日香は言いようの無い不安にかられた。他のアンドロイドたちは、完全な機械であるため何の感情も持っていない。明日香と旧式アンドロイドたちはリサイクル業者に下取りに出され、数週間後に買い手がついた。買い手は雑用アンドロイドの斡旋業者で、明日香は斡旋業者を通じて、星間航路の定期便の旅客宇宙船に売却された。明日香の仕事は宇宙船内部の清掃だった。宇宙船には、大勢のネオガイア人の乗客が搭乗している。短距離の乗客は座席に座り、長旅の乗客には船室が用意されている。ネオガイア人女性のスチュワーデスが颯爽とアナウンスやサービスを行っていた。彼女たちはスカイブルーのエレガントな制服を身に着けている。明日香は彼女たちの働く様子を見ながら、宇宙人に誘拐される前、国際線スチュワーデスだった地球での自分の姿を、思い出し、重ね合わせた。

(あれから、まだ、一年ちょっとしか経っていないんだわ)

サイボーグに改造され、宇宙に連れ出されてから、何十年も経ったような気がする。変わり果てた、おぞましい自分の体を眺め、明日香は気が狂いそうになった。

「そこの、アンドロイド!ボーッとしてないで、綺麗に床をみがくのよ」

ネオガイア人のスチュワーデスに指摘され、明日香はハッと我に返って、あわててマジックハンドに挟んでいる吸着シートで床を拭いた。

(あたしは、アンドロイドじゃないわ、サイボーグよ)

明日香は心の中で抗議したが口には出さなかった。どっちでも同じだ、と言われるに決まっている。

「お客様に失礼があったら、例えアンドロイドでも許さないからね!船長に言って廃棄処分にしてもらうわよ」

「申し訳ありません。お許しください、塵一つ無いようにいたします」

「全く、最近のアンドロイドって、外見ばっかり、人間に似せちゃって、肝心の機能が伴ってないわ」

ネオガイア人のスチュワーデスはブツブツ言いながら立ち去って行った。明日香は歯のかけた歯茎で唇を噛んで、涙をこらえながら、マジックハンドでひたすら床を磨き続けた。

 

 雑用アンドロイドたちと共に働く明日香の毎日は、過酷だったが単調だった。明日香の下半身と両腕は機械であるため、バッテリー容量が残り少なくなってくると、仕事の合間に充電しなくてはならない。アンドロイド専用の充電ルームに行き、ボディからリール式のコンセントプラグを引き出して、壁のコンセント穴に差し込むのだ。約30分間の急速充電で3日間動き続ける事が出来る。戦闘用サイボーグだった頃は、充電不要で半永久的に使用できる高価な軍用バッテリーが埋め込まれていたが、中古の雑用サイボーグのボディとなるとそうはいかない。充電が終わると、明日香は食料を求めて船内を歩き始めた。他の雑用アンドロイドは充電だけで事足りるのだが、上半身が生身の人間である明日香は、何か食べないと死んでしまうのだ。アンドロイドとして登録されている明日香に食料の支給はない。

「あのう、何か食べ物をもらえませんか」

明日香は船内にあるレストランの裏口から厨房を覗き込み、従業員に頼み込んだ。

「何だ、またお前か。残飯なら、そのゴミ箱に入ってるから勝手に食って行け。散らかすんじゃないぞ!・・・全く、残飯を漁りに来るアンドロイドなんて聞いた事がない」

「いつも、ありがとうございます・・・」

明日香は厨房の隅にあるゴミ箱のフタを開け、マジックハンドでドロドロに混ざり合った異臭のする残飯をすくい上げ、貪り食った。レストランの従業員は毎度の事なので、そんな明日香の姿を気にも留めずに自分の仕事に専念している。

(あたし、アンドロイドじゃなくて、サイボーグなのに・・・)

明日香は心の中でつぶやいた。他のアンドロイドは充電の他には睡眠も必要なく、昼夜を問わず仕事が出来るのだ。明日香はどんなに無理をしても一日3時間は寝ないと体が持たず、それが、雑用アンドロイドを統括するネオガイア人管理者の気にさわるようだ。

「役立たずのポンコツめ!不良品をつかませやがって!」

と、常に罵られている。食事を無事終え、明日香が仕事に戻ろうと船内の通路をガシャガシャと歩いていると、突然、船体に衝撃が走った。

(何かしら・・・)

明日香は嫌な予感がした。プログラムは削除されていたが、元戦闘用サイボーグとしてのカンが働いた。衝撃は二度三度と続き、船内に警報のサイレンが鳴り渡った。

「乗客の皆さん。緊急事態が発生いたしました。落ち着いて、座席にお座りください。シートベルトを締め、次の指示があるまで、立ちあがらないで下さい。」

落ち着いたスチュワーデスのアナウンスが流れた。明日香が客室を覗いてみると、乗客たちはざわめき、ネオガイア人のスチュワーデスたちが乗客を落ち着かせようとなだめながら懸命に動き回っている。

「何があったんだ!」

ビジネスマンらしい乗客が叫んだ。

「只今、調査中でございます。大丈夫ですので、しばらく立ち上がらずに席にお座りください」

スチュワーデスたちも詳しい事情は知らされていないらしい

 

 明日香の働く、定期便の宇宙船は、外部からの攻撃を受けていた。宇宙賊として名高い百足星人の海賊船の襲撃である。百足星人とは体長5メートルのムカデのような姿をした宇宙人で、発祥地や居住惑星がどこにあるのか、など全く不明である。全く別の未知の銀河系から渡ってきたという噂もある。時折、星間航路に出没しては定期便や貨物船を略奪して行く。銀河警察が総力を挙げて掃討作戦を行っているが、殲滅には至っていない。明日香の乗っているネオガイア人の宇宙客船は砲撃を受けて、停船を強要され、横付けになった百足星人の海賊船から金属の触手を船体に打ち込まれ外壁に穴を開けられた。その触手の内部はチューブ状の通路になっており、そこを通って百足星人たちが乗り移ってきた。客船には抵抗するような武器や兵士などは何も無い。数人いた民間の警備員たちもあっさりと百足星人の触手の先についている毒針に刺されて神経が麻痺し、動けなくなった。

「海賊だーっ!助けてくれーっ!」

「宇宙軍に連絡をっ!」

「モルト星で大事な取引があるんだ。こんなところで死にたくないっ!」

船内はパニックになった。ネオガイア人のスチュワーデスや乗客たちは、百足星人の毒針に刺されて次々と動けなくなっていく。数々の生死をかけた戦いを経験してきた明日香は至って冷静だった。あわてることなく状況を把握し、目立たないように誰もいない客室を見つけるとタンスの中に隠れる。船内の通路を巨大なムカデのような百足星人がのたうちながら這っていた。百足星人たちは船内の食料、資材、貨物品を徹底的に略奪し、麻痺したネオガイア人たちを自分たちの海賊船に運び込んで行った。明日香はタンスの中で息を殺して成り行きを見守りながら、久しぶりに血がたぎってくるのを感じた。しかし、U字型のマジックハンドでは戦う事は、出来ない。

(ああ!もう一度、戦いたいわ!優香、麗美、渚沙、今、どこにいるの!)

明日香は歯の欠けた歯茎を噛締めた。

 

 銀河警察第26管区責任者のヤ・グ・オイの元に、通報が届いた

「ネオガイア人の星域に百足星人の海賊船が出現しました。」

「なにっ、ついに網にかかったか。付近のパトロール船を全て現場に急行させろ!今度こそ逃がすな。殲滅してやる」

「了解!」

超空間通信を使って、第26管区の星域全てのパトロール船に警報が出された。グレイの影響力のある宇宙領域は52の管区に分けられ銀河警察が治安維持にあたっている。ネオガイア星及び、地球の所属する辺境星域は第26管区にあたり、約500年前からグレイ出身のヤ・グ・オイが責任者となっていた。銀河警察の元にレンタルされている地球人サイボーグ、清水優香(23歳、元シンクロ選手)と奥平渚沙(26歳、元SMクラブの女王)の搭乗するパトロール船にも出撃命令が来た。渚沙は前回の戦闘で重症を負い、最近、治療カプセルから出たばかりである。大蛸の消化液によって溶かされた皮膚は、特に溶解のひどかった手足は復元する事が出来ず、人間の皮膚の代わりに光沢のある黒レザーが貼られている。胴体部分の皮膚は細胞回復剤の作用で元通りになったが、頭髪は全て抜け落ち、顔の下半分とともに黒レザーの人工皮膚が貼られ、目の周りだけが、人間の皮膚のまま残っている。つまり、胴体と目の周りが白く柔らかい肉体で、それ以外は光沢のある黒レザーの人工皮膚なのだ。復活後の渚沙は胴体部分には衣服が与えられず、乳房、オマンコ、御尻が剥き出しのスタイルで勤務することになった。皮膚を失った渚沙は以前にも増して性格が荒れ、唯一の仲間である優香につらく当たった。

「優香、お前がボーッとしてたから、あたしがこんな重症を負ってしまったのよ!一生あたしの奴隷として償いなさい。お前の舌で毎日あたしのオマンコを綺麗にするのよ!」

優香は同僚であるはずの渚沙に、蹴られたり殴られたりしながら毎日渚沙のオマンコを口で清めた。優香は渚沙の仕打ちに腹が立ったが、それでも渚沙が復活してくれたことが嬉しかった。こんな宇宙の果てで肉体を改造され、訳の分からない敵と一人ぼっちで戦い続けることなど耐えられない。

「全員戦闘配置につけ。戦闘用アンドロイド、及びサイボーグは白兵戦に備えて転送室で待機!」

優香と渚沙は転送室へと急いだ。今度は何と戦わされるのか分からないが、無事生き残れるかどうかの保障は全く無い。命令を無視しても、脳内コンピューターを通じて戦うことを強制されるだけだった。

 

 優香と渚沙の搭乗するパトロール船が現場に到着したとき、すでに百足星人の海賊船は先に到着した数隻の銀河警察のパトロール船によって包囲されていた。あわてた百足星人の海賊船は襲撃中のネオガイア人の客船からドッキングを解除し、離脱しようとしている。

「逃がすな、全ての戦闘用アンドロイドを、海賊船に転送し、百足星人どもを逮捕しろ!」

「了解!」

各パトロール船の転送室から戦闘用アンドロイドたちが転送ビームで送り出された。優香と渚沙も海賊船に転送される。二人は海賊船の内部で他のアンドロイドたちと共に実体化した。しかし、その瞬間、海賊船がワープした。

「海賊船が消えたぞ、ワープで逃げるつもりだ。超空間ソナーを作動して追尾しろ」

銀河警察の現場指揮官が叫んだ。

「駄目です。やつらの宇宙船には未知の技術が使われているようです。超空間ソナーが反応しません」

「馬鹿な!取り逃がしたというのか・・・」

グレイ出身の現場指揮官は愕然とした。

 

 海賊船に侵入した優香と渚沙は母船との連絡が絶たれ、制圧しに来た筈が、逆にあっという間に捕虜になってしまった。銀河警察のアンドロイドたちもコンピューターをハッキングされ機能停止に追い込まれる。ろくに戦う事も無く拘束された優香と渚沙は、百足星人の尋問を受けた。

「お前ら二人だけはアンドロイドではないな。サイボーグか、どこの星の出身だ」

体長5メートルの大ムカデが目の前でのたうっている。ムカデの体からは100本の触手が伸び拘束されて動けない優香と渚沙の全裸の体をモソモソとまさぐった。触手は二人の体の穴という穴、口、鼻、耳、オマンコ、肛門、などに容赦なく侵入してくる。

「いやあああっ、気持ち悪いっ!」

優香がたまりかねて叫び声を挙げた。渚沙もさすがに全身の人間の皮膚の部分に鳥肌が立ち、ガクガクと震えている。

「答えろ!出身の星はどこだ!」

「地、地球ですぅ・・」

「地球?その星はどこにある?座標は?」

「わ、わかりませぇん」

優香が情けない声で答えた。宇宙人に突然拉致された優香には地球の座標といわれても、本当に知らないのだ。

「自分の星の座標を知らない訳がないだろう?とぼけるんじゃないぞ!痛い目に合いたいのか」

大ムカデは優香の体に侵入させている触手や体にまとわりついている数十本の触手の先端にある毒針を優香の全身に突き刺した。

「いやっ、いやっ、ぎゃあああああああ!」

全身を毒針で刺された優香が絶叫した。恐ろしい痛みが全身を駆け巡り、気が狂いそうになる。

「やめてえええ!痛い、痛い!気が狂っちゃうう、ほ、本当に知らないんですううう!」

全身に毒の回った優香は、顔をどす黒く変色させ、泣きながら悶え苦しんだ。

 

 優香と渚沙、そしてネオガイア人の宇宙客船から奪った戦利品を満載した海賊船はワープを繰り返しながら、根拠地のある惑星へと戻っていた。戦利品の中には捕まえたネオガイア人乗客やスチュワーデスの姿が多数あったが、雑用サイボーグの工藤明日香の姿はなかった。百足星人の根拠地は暗黒星雲の中にあるゲロリアンと呼ばれる薄汚い惑星だった。百足星人たちはこの星を根城に銀河系中に出掛け、海賊行為を働いているのだ。噂どおり、彼らは別の銀河系から星間戦争に敗れて逃走してきた知的生命体で、グレイ系列の科学技術とは全く別の体系の科学力を持っている。ムカデに似た百足星人は呼吸さえ必要としない。彼らの捕虜となった優香と渚沙は更なる改造手術を受けた。まず、ネオガイア人と銀河警察によって組み込まれた脳内コンピューターのプログラムは一旦全て消去され、かわりに百足星人の忠実なしもべとなるようなプログラムを再インストールされた。そして、今まで体に埋め込まれていた武器のほかに、追加機能として体中にムカデの足状の触手が数十本埋め込まれた。この触手を使えば、元の人間の手足を使わなくても地面をのたうつように、わさわさと進む事が出来、さらに触手の先端には毒針もついている。ムカデ型サイボーグにバージョンアップした優香と渚沙は完成した自分の姿を見て恐怖した。

「ひいいいいっ!なによこれ、気持ち悪いいいっ!」

優香はおぞましい、自分の姿に鳥肌が立った。

「なんてものを、あたしの体に埋め込んでくれたの!これじゃ化け物じゃない」

渚沙もかなり、気に食わないようだ。しかし、新しい主人となったムカデたちに逆らう事は出来ない。二人は略奪に出掛ける海賊船に尖兵として乗せられ、銀河中で略奪行為に手を貸す事となった。

 

「うわああ、助けてくれっ、海賊だああっ!」

「ムカデだ、ムカデが襲ってくるうう!」

海賊は田舎の植民星を襲撃していた。ろくな防衛力も持たない星である。栗鼠のような大人しい知的生命体が平和に暮らしている。優香と渚沙は百足星人に命令されるままに栗鼠人間を片っ端から皆殺しにしていった。体中に埋め込まれた触手を伸ばし、栗鼠人間たちの体を穴だらけにしたり、毒を注入したりして殺すのだ。女子供、老人、病人、怪我人であろうと容赦はない。

「このおっ、悪魔め!よくも母ちゃんを殺したなっ!」

子栗鼠がよく発達した前歯を尖らせて、渚沙の左腕に噛み付いてきた。激痛を感じた渚沙は怒りにかられ、右腕の電気鞭で子栗鼠の背中を滅多打ちにする。

「ぎゃあああっ!か、母ちゃんの敵―っ、こんなことでやられるもんかあああ!」

子栗鼠は絶叫しながら黒こげになって感電死した。渚沙は無造作に子栗鼠の死骸を投げ捨てた。

「目障りなんだよ、この餓鬼っ!」

渚沙は強制された海賊行為でさらに残虐性を発揮していた。そうする事によって、気を紛らわせているのかもしれない。殺戮と略奪を充分堪能した海賊は戦利品を宇宙船に詰め込んで飛び立った。生きたまま捕まえた栗鼠人間は、別の知的生命体の住む星へ宇宙商人の闇ルートを通じて売却されることになる。この前のネオガイア人の客船から連れ去られた人間達も同様の運命をたどっている。栗鼠人間の惑星を飛び立った海賊船はゲロリアン星に戻って略奪品を下ろし、再び宇宙へ略奪の旅に出た。

「次の獲物は地球だ。略奪品のコンピューターの中に地球の座標データが入っていた。何でも最近までグレイの狩猟のための自然保護地区に指定され、他の宇宙人は近づく事も出来なかったらしい。手付かずの天然資源や、ろくに抵抗も出来ない原住民が、わんさといるってよ」

海賊船の船長の大ムカデは楽しそうに笑った。優香と渚沙は地球、と聞いてギクリとした。

「地球に戻れるの?」

「でも、略奪するって言ってるわ。それに、こんな体で今さら地球に戻っても・・・・」

優香と渚沙は体中の触手を波打たせながら囁きあった。ムカデの命令で今度は同じ地球人を大量殺戮しなくてはならない。

(隙を見て、あたしは逃げるわ。このまま、戦い続けていても、いつかは死ぬだけだもの)

渚沙は密かに決意した。

 

第68話、鉄仮面

 

地球、さざなみ市の宇宙母艦オリンポス内部、ヘラクレス提督の執務室。占領軍の最高司令官であるヘラクレス提督は今日も、様々な書類に目を通し、裁定を下している。

「潤子、これにハンコを押してくれ」

ヘラクレス提督は奴隷秘書である小倉潤子(27歳)に書類を一枚渡した。地球人向けの書類は、地球人の慣習に従い、紙と印鑑で処理される。

「はい、かしこまりました、提督」

潤子は書類を受け取ると、おもむろにデスクの上によじ登り、さざなみ市役所の職員の制服のスカートをまくりあげた。そしてパンティを脱ぎ捨てると、潤子はお尻とオマンコを剥き出しにして書類の上にしゃがみこんだ。潤子のクリトリスには外科手術によって印鑑が埋め込まれている。クリトリスの上にヘラクレス提督のロゴマークの金属プレートが縫い付けられているのだ。文書の偽造をさけるため、特殊加工で造らせた、たった一つしかない印鑑である。潤子はオマンコに指を入れ、愛液をすくい取って、印鑑の先端を湿らせると、特殊インクの朱肉にクリトリスを押し当て、正確に印の位置にハンコを押した。

「うっ!」

クリトリスを刺激され、かすかに潤子が顔をしかめる。さざなみ市役所でもっとも美人だった潤子は、宇宙人来襲の前までは、独身男性職員の憧れの的だった。ちなみに朱肉の特殊インクは潤子の愛液にだけ化学反応をおこして着色出来るように調合されている。これも文書の偽造をさけるためだ。

「あと、これにも、全部ハンコを押しておいてくれ。複写になっているから、漏れのないようにな」

「はい、提督」

潤子はヘラクレス提督に渡された書類の束に一枚づつ目を通し、クリトリスの先端に取り付けられた印鑑で慎重に捺印を始めた。愛液を出すためのオマンコへの愛撫と、捺印の際のクリトリスへの刺激、執務室のデスクの上で大股を開く事への慣れることない恥ずかしさも加わって、潤子の顔は赤く火照っていた。

「失礼します」

ヘラクレス提督と奴隷秘書の小倉潤子が執務に専念していると来客があった。潤子がデスクから飛び降り、ドアを開けると、治安責任者のペルセウス長官が入ってきた。

「何だね? ペルセウス長官」

ヘラクレスは鷹揚にたずねた。ペルセウスは潤子に案内され、来客用のソファに座った。潤子はドリンクを用意してペルセウスに渡すと、ペルセウスの前にひざまづき、スペーススーツの上から下半身のマッサージを始めた。来客に対する接待である。要求されればフェラチオやセックスのサービスもする。しかし、今回はペルセウスは重要な用件で来たらしく、深刻な表情をしている。

「提督、アルテミスの件なのですが・・・処遇は決められましたか?」

「ああ、あの女性士官か。彼女は、元、君の部下だったな」

白兵戦コマンドの女性隊長だったアルテミスは地球人レジスタンスの捕虜になり、激しい拷問の末、レジスタンスの手先となって、ネオガイア人兵士数人を殺害したのだ。エネルギーバリア発生施設の襲撃事件の際、身柄を保護されたのだが、現在は隔離され、保安部の厳しい監視下にある。

「これは、大スキャンダルだ。こんなことを、公表するわけにはいかん。エリート士官が同胞を裏切り、地球人に手を貸したなどと。報告によれば、彼女はネオガイア人には珍しい強度のマゾヒストで、捕虜になっていた間、喜んで地球人のクソを食っていたらしい。味方に死人も出ている。この事実は封印するしかない」

ヘラクレスは冷たく言い放った。

「アルテミスの身柄はどうなるのですか?」

「名誉の戦死をとげたことにし、彼女自身は隔離する。半永久的にな。事実を隠蔽するには、それしか方法はあるまい?」

ペルセウスも仕方が無い、という風にうなだれた。

 

さざなみ市の郊外に建設された、政治犯収容所にアルテミス(28歳。元、ネオガイア星宇宙軍エリート士官)は極秘に移送された。この収容所には宇宙人の占領に対してデモを行い、逮捕された地球人たちが収容されている。アルテミスの件にかかわった関係者には厳しい緘口令がしかれ、彼女がネオガイア人だということは、伏せられたまま収容所に隔離されることになった。以前に彼女の事を知っているものが、万一訪れても、顔がわからないように、アルテミスの頭には特製の超合金で出来た鉄仮面がかぶせられた。鉄仮面はかぶせられた後、溶接され、二度とはずす事は出来ない。目と口の部分だけが開閉出来るようになっている。それもロック式であり、口の部分が閉じられたときは同時に口枷が咬まされるような仕掛けになっていて、都合の悪いことは喋れないように配慮がなされている。

彼女は自分がネオガイア人だと思いこんでいる頭のおかしい地球の白人、というふれこみで、収容所の一般の刑務官や他の囚人には説明された。アルテミスは収容所の一番奥にある独房に全裸で放り込まれた。筋骨逞しい、アルテミスの体はレジスタンスの拷問でつけられた傷跡だらけで両手両足の爪は全て剥がされていた。

「あたしが、あなたの監督を受け持つことになった刑務官よ」

一人の若い白人女性がアルテミスに紹介された。ショートカットヘアのその女性は、地球人で、元アメリカ陸軍上等兵のシンディ・スコットランド(21歳)だった。シンディはその残虐ぶりを買われ、わざわざネオガイア人占領軍によってスカウトされたのだ。真性サディストのシンディは麻薬中毒患者のように目を輝かせている。

「たっぷり、と可愛がってあげるわ。あたしは、あなたがネオガイア人だってこと知ってるわ。上の人に、ネオガイア人の汚点だから、出来れば、責め殺して欲しいっていう風なことも言われたわ。覚悟することね、あなたは、二度とここから出られないのよ。時間はいくらでもあるから、ゆっくりと楽しみましょうね」

シンディはルンルン気分のようだった。まだハイスクールを卒業して数年しかたっていないあどけない少女のような刑務官である。今まで無言だったアルテミスは鉄仮面の隙間から、刑務官の制服を着たシンディの姿を眺めた。同胞を殺害し、自責の念に駆られて茫然自失になっていたアルテミスは、サディスティックな笑いを浮かべる少女の姿を目にし、再びうずくような、マゾとしての期待が湧き上がり、股間をじっとりと濡らし始めた。

「よろしく、お願いします。シンディ様。汚れきった、罪深い女ですが、どうぞ、このアルテミスをたっぷりと可愛がってくださいませ」

アルテミスは土下座をし、爪のはがれた両手で三つ指をつき、重々しい鉄仮面をかぶせられた頭を床にこすりつけた。

「ふんっ。ゴマをすろうったって無駄だよ。あたしの責めは半端じゃないからね!本当に殺すよっ」

「構いません。どうぞ、アルテミスを責め殺してくださいませ。もっとも酷い殺し方でお願いします。そうでなければ私の犯した罪は償いきれません」

「あなた、面白いわね。あんたが死んだからって、死んだ人間の家族が納得するとは思わないけど・・・・でも、いい心掛けだわ。その言葉、絶対に忘れるんじゃないよ」

その日からシンディ・スコットランド元上等兵のアルテミスへの虐待が始まった。

 

 翌朝一番にシンディはアルテミスの閉じ込められている独房を訪れた。他の囚人は囚人服を着ているのだが、アルテミスだけはシンディの意向により全裸で監禁されている。

「起きろ、鉄仮面!」

シンディは荒々しく怒鳴った。アルテミスの本名は極秘扱いであるため、刑務所内の誰にも知らされていない。『囚人ナンバー999番、通称、鉄仮面』というのがここでのアルテミスの呼び名だった。

「お、あおおおお・・・」

固いコンクリートの上に薄いシーツ一枚にくるまって全裸で眠っていたアルテミスが目を覚ました。寝ている間は、鉄仮面の開口部が閉じられ、口枷がロックされているため、喋る事はできない。シンディは独房のドアを荒々しく開けて中に入ると、アルテミスの脇腹を思い切り軍靴の先で蹴り上げた。

「オオオオゥ!」

「起きるのが遅いじゃないの、鉄仮面!毎朝、あたしがここに来た時には、先に起きていて、土下座でお迎えするのよ!」

「アオオオォ・・・」

シンディは暗証番号を入れ、アルテミスの頭にかぶせられた鉄仮面の目と口の開口部のロックを解除した。アルテミスの口のまわりは一晩中流し続けたヨダレでベトベトである。アルテミスは眩しそうにシンディを見上げた。

「お、おはよう、ございます、シンディ刑務官様・・・」

アルテミスはあわてて土下座をして挨拶した。

「遅いんだよっ!罰として、朝食は抜きよっ」

「申し訳ございません」

「まず、顔を洗いな。拷問はそれからよ」

アルテミスは刑務所の共同の洗面所へ連れて行かれ、ホースで鉄仮面の開口部に水流を注ぎ込まれた。

「げほっ、げほっ」

そして、水を一杯に張ったバケツに鉄仮面ごと頭を突っ込まれる。

「明日からは、顔ぐらい自分で洗うのよ」

「はい、げほっ・・・げほっ・・シンディ様」

それからが拷問の始まりだった。シンディ刑務官の一日は囚人たちへの拷問に始まり、拷問に終わる。ネオガイア人により半強制的に拉致されたとはいえ、真性サディストのシンディ・スコットランドにとって刑務官の仕事はまさに、天職で、収容所での生活は、至福の毎日だった。彼女が行う、拷問のメニューはイラクの捕虜収容で行ってきたものとほぼ同じである。囚人たちに軍用犬をけしかけたり、人間ピラミッドを造ったりさせるのだ。人間ピラミッドを作る時、アルテミスは常に、最も重量のかかる最下段の一番真ん中だった。白兵戦指揮官として鍛えられたアルテミスには、このぐらいのことは、どうということはない。

「鉄仮面、お前、結構がんばるわね、面白くないわ。あたしは、お前がもっと苦しむところをみたいのよ」

シンディは持っていた金鎚で、腹立たしげにアルテミスの鉄仮面を思い切り殴った。グワーンという音がした。

「あはははは、面白いわ、いい音鳴るわね。お前の頭は、楽器だよ」

シンディは何度も、何度も金鎚でアルテミスの鉄仮面を殴りつけた。グワーン、グワーンと音が鳴り響いた。さすがにアルテミスも脳震盪を起こし、目眩がしてきた。

「キャハハハハ!」

調子に乗ったシンディは5段積みになった人間ピラミッドの後ろに回りこみ、最下段の囚人の御尻を蹴り上げた。歯を食いしばって必死にバランスを保っていた囚人たちは崩れ落ち、どうっと倒れこんだ。

「ぎゃあっ」

「助けてくれ、つぶれるうう」

「ううう、早くどいてよっ」

下敷きになった囚人たちは口々に訴えた。彼らのほとんどは、普通のさざなみ市民で、デモに参加していて逮捕された者達である。中には全く無実の者もいる。

「キャハハハハ!」

真性サディストのシンディは囚人たちの様子を見ながら笑い転げた。

 

 アルテミスはその後、何人かのシンディのお気に入りの囚人たちと一緒に、電気責めを受けた。体中に貼り付けられた電極から、致死量ギリギリの高圧電流を流されるのだ。体中の体毛が逆立ち、責めが終わった後も感電した筋肉が萎縮して、まともに歩く事も、喋ることも出来なかった。

「休んでるんじゃないよ、お前ら!今日の拷問メニューは、まだまだこれからよっ!」

シンディの叱責が飛ぶ。アルテミスはふらつく足で別の部屋に連れて行かれた。その部屋には10代前半の気の弱そうな日本人の少年が一人閉じ込められていた。

「こいつを犯せ。レイプするんだ」

シンディが冷酷に言い放った。少年の名前は大崎和也、14歳、ごく普通の中学2年生である。学校から帰宅する途中、たまたまデモにまきこまれ、誤認逮捕されたのだ。以来、政治犯収容所に監禁されている。鉄仮面をかぶったアルテミスが近寄ると、和也少年は怯えて後ずさりした。

「僕は何も悪い事はしていません。お願いです。家に帰してください・・・」

「早くやれ、鉄仮面!命令が聞こえないのっ!」

「・・・ああ・・ご、ごめんね・・・」

アルテミスは感電の影響でもつれる舌で謝りながら、和也につかみかかった。拷問で弱っているとはいえ元白兵戦部隊の隊長である。がっしりと力強い握力でつかまれた和也に抵抗する術はなかった。

「ああ、やめて・・・」

アルテミスは和也の着ている中学校の制服を引き破り、裸にしてそのままコンクリートの床に押し倒した。左手で和也の萎縮したチンポを鷲づかみにして、荒々しくもみしだく。

「ううっ、痛い!」

金玉をひねり潰されるのではないか、という恐怖で和也のチンポはさらに萎縮した。

「何やってるの。立たなかったら今すぐ殺すわよ!」

「ひいいっ、ゆ、許してください・・・」

和也は泣き出した。中学生の和也は童貞で、キスの経験もないのだ。仕方なくアルテミスは和也の上で逆向きに馬乗りになり、両膝で和也の腕を押さえつけ、オマンコを和也の顔に押し当てた。左手でそのままチンポをこねくり回し、右手で和也の腹や太ももを愛撫する。

「ううっ」

アルテミスの濃厚なオマンコを顔に押し当てられ、むせるような雌の臭いをかがされた和也は、さすがに恐怖を忘れて勃起した。

「い、いいわよ・・・」

アルテミスはチャンスを見計らって、体勢を変え、再び向きを変えると、可愛らしく勃起した和也のチンポの上にオマンコの割れ目を当てがい、一気に腰をおろした。

「あううっ・・」

アルテミスは騎乗位のまま、激しく腰を振り立てた。初体験だった和也は、今までの恐怖を忘れ、あっという間に射精した。この経験は和也少年の心に、一生消えない深いトラウマを残し、和也は、鉄仮面を被った女にしか萌えない、全頭マスクフェチの性癖を持ち、今後の人生を送る事になる。

 

 シンディ・スコットランド刑務官によるアルテミスへの執拗な拷問は続いた。アルテミスは肉体労働を命じられ、収容所の中庭でシャベルを使って穴を掘らされた。鉄仮面の他は全裸である。裸足であるため、爪を剥がされた手や足の指の傷にバイ菌が入り化膿している。収容所の敷地は高いコンクリートの塀と鉄条網で囲まれており、常にレーザー銃を構えたアンドロイド歩哨が警戒に当たっているため、逃げ出せる可能性はゼロである。ろくに食事もあたえられていないアルテミスはさすがに、直射日光の下での重労働に意識が朦朧とし、今にも倒れそうだった。約5時間かけてアルテミスは決められた通りの深さと直径の穴を掘り終えた。収容所の中庭に大穴が開いた。アルテミスは精魂尽き果てて、地面にへたり込むと、作業状況を監視カメラで観ていたシンディがやってきた。

「遅いわね、2時間13分もタイムオーバーよ」

「も、申し訳ありません・・・」

アルテミスは謝り、この穴は何に使うのだろう、とふと思った。

「じゃあ、次はこの穴を元通り埋めてちょうだい。制限時間はそうねえ、2時間てところかしら」

「あ、ああ・・???」

アルテミスは不可解な指示に、怪訝な顔つきをすると、シンディが冷たく言い放った。

「この作業に意味や目的なんて全くないの。ただ、あなたを苦しめるためだけに命令しているのよ。囚人のあんたに何か不満でもあるの?早く作業にかかりなさい!」

シンディは立ち去って行った。アルテミスは長時間労働でガクガクになった重い腰をあげ、

絶望感に駆られながら、シャベルで今、掘った土を元に戻し始めた。マゾヒストのアルテミスは理不尽な作業に、汗と泥土にまみれてフラフラになりながらも、股間をジットリと濡らしていた。

 

 またあるとき、アルテミスは体中にミンチ肉を塗りたくられ、軍用犬の檻に放り込まれた。股間には犬のフェロモンを調合した犬用の催淫剤が塗りこめられている。全裸に鉄仮面のアルテミスの周りに、たちまち多くの軍用犬が群がってきた。

「ヘタに抵抗すると噛み殺されるわよ」

シンディが檻の外から薄ら笑いを浮かべ、事の成り行きを面白そうに見物している。アルテミスは軍用犬たちにどう対処すればいいのか判らなかったが、戦えば、さらに犬たちの凶暴性を引き出し、まずいことになりそうだった。アルテミスは仕方なく、ミンチ肉にまみれた裸体を犬たちの前に投げ出す事にした。慎重にゆっくりと、犬達を刺激しないように地面に座り込み、ついで、大の字になって仰向けに寝転がる。

(お願い!噛付かずに、ミンチ肉だけを舌で舐め取って!)

アルテミスは祈りながら目をつぶった。

「ガルルルル・・・」

軍用犬の群れは鼻息も荒く、牙をむき出して、よだれを垂らしながら、アルテミスの体の臭いを嗅ぎまわる。一匹の犬がミンチ肉を舐め始めた。他の犬たちもそれに習う。

「あうっ・・・」

軍用犬のザラザラした舌がアルテミスの体中を刺激する。アルテミスは恐怖と気持ち悪さにおもわず体をビクンと痙攣させた。

「ガウッ!」

さすがに軍用犬である。とっさに、一匹がアルテミスの右肩に噛み付いた。

(痛いっ!)

アルテミスは激痛を感じたが、叫び声を上げたり、身動きしたりしないように、必死で我慢した。ここで、パニックになれば、たちまち軍用犬たちも恐慌状態になり、アルテミスの体はズタズタに咬み裂かれてしまうだろう。アルテミスは何度も、夢中でミンチ肉を貪る軍用犬に体のあちこちを咬まれたたが、声一つあげなかった。やがて、アルテミスの体に塗られたミンチ肉が最後の一カケラまで食べ尽されると、今度は、軍用犬たちはアルテミスの股間に塗られた、催淫剤に気を惹かれ始めた。犬達はオス犬ばかりである。赤黒い人間のものよりも細長く、先端の尖ったペニスをそそりたて、交尾を求めて、アルテミスの体に次々と覆いかぶさってきた。

「あははははっ!お似合いだよ鉄仮面。犬とセックスするときは、うつぶせになって、お尻を高く、上に突き上げるんだ。そんなことも判らないの!」

アルテミスはシンディに言われたとおり、うつぶせになり、軍用犬たちに、さあ突いてくれ、と言わんばかりにお尻を突き出した。犬たちは先を争うように、アルテミスの背中に乗っかかり、細長いペニスを突き立てて、犬ならではの物凄いスピードで腰を振った。

「ワオオオオーン!」

「あ、ああ。イクううう!」

アルテミスは何匹もの軍用犬に犯され、何度も何度も絶頂を極めた。アルテミスが軍用犬とのセックスに夢中になっていると、一人のスペーススーツを着たネオガイア人の男がやって来た。

「お久しぶりです、隊長」

男はアルテミスの元部下で、現在、アルテミスの失踪後、白兵戦コマンドの隊長に昇進していたテッセウス(29歳)だった。テッセウスは左腕を負傷しており、治療用の保護板を嵌めている。

「この前の、バリア発生施設の襲撃事件のとき、あなたに撃たれた傷ですよ。当たり所が悪かったらしく、細胞回復剤を使っているのですが、なかなか直らなくてね」

テッセウスは、犬に犯されているアルテミスの姿を見て、ニヤニヤと笑っていた。アルテミスは軍用犬に股間を突かれながら、鉄仮面の頭を持ちあげ、目の開口部の隙間からテッセウスの顔を横目で見た。

「あうっ、あううぅ、テッセウス・・・あなたを撃った事に対しての償いはするわ。慰謝料として、あたしの口座に残っている電子マネーを全て支払うわ」

「あなたの口座は全て、軍の保安部によって封鎖されましたよ。あなたは名誉の戦死をしたことになっている。・・・それにしても、あなたがマゾヒストで、しかも、不可抗力とはいえ、地球人のレジスタンスに手を貸すとはね。俺は、この間まで、白兵戦の天才で人望も厚い、隊長のあなたを尊敬していたのですよ」

「・・・マゾヒストである事は隠していたわ。誰にも迷惑をかけないつもりだったのに」

アルテミスは唇を噛んだ。

「俺が、今日ここに来たのは、憧れの隊長だった、あなたの末路を見届けるためです。俺は、ほとんどのネオガイア人の御多分にもれず、サディストなんでね。あなたを一度、思い切り陵辱してみたかった・・・」

テッセウスは長年心の奥にしまっていた、思いのたけを吐き出した。

「わかったわ。償いはすると言ったでしょう。もうすでに、かなりボロボロになって汚れ切っているけど、こんなあたしの体でよければ好きにしてもらって構わないわ」

「それでは、遠慮なく・・・」

テッセウスはしばらくの間、アルテミスの身柄をシンディから預かることにした。

 

「まず、あなたの体を消毒させていただきます。いくら憧れの女性だったとはいえ、犬の精液にまみれたオマンコを陵辱する気にはなりませんからね。病気になったら大変だ。それに、あなたは地球人のウンチを、貪り食っていたという話なので、隅々まで消毒しておかないとね」

テッセウスはアルテミスを軍用犬の檻から出し、収容所の中にある消毒室へ連れて行った。そこには、不衛生な生活で蚤やシラミの湧いた囚人を消毒することができる設備が整っている。衛生係のアンドロイドの手により、アルテミスは両手首に枷をはめられて、天井から滑車で吊るされた。つま先立ちの姿勢である。全く無防備になったアルテミスの白い裸体に、ノズルが向けられ、高圧力で噴射された消毒液が吹き付けられる。

「くうっ・・・」

体中に刻まれた無数の傷口に消毒液がしみ、恐ろしい激痛がアルテミスを襲った。

「穴という穴を、念入りに消毒しないとね」

テッセウスの指示でアンドロイドは、ノズルの先をアルテミスのオマンコや肛門に突っ込み、粘膜が擦り切れるくらい、長時間に渡って洗浄した。鉄仮面の開口部から口や鼻の穴も念入りに洗浄され、ツーンと鼻の奥にくる、あまりの痛さに、さすがのアルテミスも涙をボロボロと流した。

「消化器官も洗浄してやってくれ。地球人のクソがこびりついているかもしれんから」

アンドロイドはノズルの先をアルテミスの咽喉の奥に深々と差し込んだ。そして最大圧力で消毒液を注入した。

「おおおお・・あがあああっ・・・おええええっ・・」

大量の消毒液が無理矢理アルテミスの胃に流しこまれ、そこからさらに水圧によって小腸へ送り出される。アルテミスの腹はたちまち風船のように膨れ上がり、小腸の膨張が限界に達すると、消毒液の水流は大腸へと押し出された。大腸、直腸と押し出され、最後に肛門から排泄物や、未消化の食物と共に、消毒液が体外に噴出した。

「おげええええ・・・苦しいっ・・・」

今までの拷問で、苦痛のほとんどを快感に変えていたマゾのアルテミスもさすがに、気が狂いそうになった。約15分間、内臓の洗浄が続けられ、それは、アルテミスにとって永遠のように感じられた。やっと洗浄が終わると、アルテミスは激しく咳き込み、ぐったりと死んだように、体中の力が抜けて、滑車から、だらんとぶら下がった。体の内側から熱を奪われ、体が恐ろしいほど冷えている。アルテミスのような歴戦の戦士でなければ、気を失っているか、ショック死していただろう。

「フッフッフッ、いい様ですよ、アルテミス隊長。今度は逆から、洗浄してあげましょう」

テッセウスはアンドロイドに命じ、今度はノズルを肛門に突っ込ませた。スイッチを入れると高圧力で消毒液が注入される。直腸、大腸、小腸、胃、食道と水流が逆流し、最後にアルテミスの口から、噴出した。

「げほっ、げほっ、苦しいいい・・・い、息が出来ない・・・」

「これは、面白い」

テッセウスは満面の笑みを浮かべて喜んでいる。逆方向での消化器官の洗浄は約30分間も続けられた。ほとんど、死んだようになったアルテミスの体が滑車から下ろされると、冷え切って、死体のように冷たくなった体をテッセウスは散々陵辱した。

「隊長、もっと気合を入れて、腰を振ってください」

「舌使いがヘタですねえ。」

「もっと楽しそうにしてくださいよ。俺のことが嫌いなんですか?」

テッセウスはありとあらゆるセックスサービスをアルテミスに強制し、満足するとその後、弱った体に、スパンキングや鞭打ち、電流責めを加えた。ほとんど、その日、一日中テッセウスはアルテミスを嬲り者にした。

「これからも時々面会に来ますよ、隊長。あなたは二度とここから出られないようですから。あなたの事だから、大丈夫とは思いますが、あっさりと責め殺されたりしないで下さいね。」

テッセウスは帰り際にそう言い残すと、アルテミスの身柄をシンディ・スコットランド刑務官に引渡し、満足気に軍の宿舎へと帰っていった。

 

 

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