第55話 M女の末路

 

 梅本由梨香(現在24歳、元派遣会社登録のイベントコンパニオン)は、宇宙人に誘拐されて人間を重症マゾに変える薬品の実験台にされ、その後地上へと戻された。重症マゾとなった由梨香はSMクラブでM嬢として働く傍ら、常連客である暴力団幹部、八崎健次郎のSM専門の5番目の情婦となり、日夜、激しい肉体改造、やハードなプレイを受け続けた。わずか数ヶ月で、かつて美しかった若さあふれる由梨香の全身は、卑猥な刺青とピアッシングだらけになり、酷い傷跡で体中が埋め尽くされた。殴打プレイで顔が腫上がり、肉体の壊れきった由梨香はさすがに勤務するSMクラブをクビになり、八崎健次郎にも飽きられて処分されることになった。

「ああ、由梨香を見捨てないで。もっといじめて下さい、健次郎様・・・」

ピアッシングだらけの唇と舌で必死に憐れみを乞う由梨香を八崎健次郎は冷たく見放した。

「うるせえ、もう飽きたんだよ。お前の体は壊れすぎちまって、もう性欲も湧かないんだ。そんな目で見るなよ。なあに、心配することはない、いくらでもお前をいじめてくれる、素敵な場所に連れて行ってやるからよ」

八崎健次郎は由梨香を人知れず処分するために、暴力団のコネを使って、あるマグロ漁船の船長に話をつけた。

「久しぶりだな、船長。次の航海の女は調達できたかい?どうだ、この女を5万円で買わねえか。相場からすりゃあ、かなりお買い得だろ?」

「こりゃあ、ひでえ傷モンだ。もっとまともな女なら買うよ」

「なに言ってんだ。こいつはマゾなんだ。いくらいじめても喜ぶだけの変態女だ。お前らのウンコだって喜んで食うぜ。それともこの俺が頭を下げて頼んでいるのに、断ろうってのか!」

ほとんど脅迫まがいで八崎健次郎は由梨香を、マグロ漁船の船長に、最後には1万円で売り払った。由梨香はその日からマグロ漁船『第4小竜丸』の狭く汚い船倉で暮らすことになったのである。

 マグロ漁船『第4小竜丸』の船長は山本良蔵という50代前半の男だった。漁師生活20年の大ベテランである。その他航海士が4名と、借金返済のため、暴力団から斡旋されてきた30代から50代の男たちが7人乗り組んでいる。由梨香を加えて12人を乗せた『第4小竜丸』はインド洋に向けて出港した。一年以上にもおよぶ遠洋航海である。船員たちは狭く不衛生な船倉に押し込められ、ほとんど雑魚寝の状態だった。彼らの性欲を全て処理するのが由梨香に与えられた役割だった。

「わしも長年、マグロ漁船で働いてきたが、お前さんほど壊れた女は初めてだ」

船長の山本良蔵は由梨香の体を眺めながらあきれ果てているようだった。由梨香一人だけが船内で衣服の着用を許されておらず全裸である。

「よく見ると、顔は結構綺麗なのになあ。『マゾ』『奴隷』だって?顔にまでこんな刺青を入れちまって、いったい何があったんだね」

「宇宙人に誘拐されたんです」

「頭もイカレちまってるのか。そうだろうなあ」

東海地方に不時着した宇宙人のニュースは政府によって厳しく報道規制されているため、直接かかわっていない人間にはそれほど情報が伝わっていない。時折電波ジャックをされて放送される宇宙人の放送も、一般の国民たちはどう受け止めていいのか判らず、黙殺されている。ましてや世間を離れ一年中海の上で生活をする船員たちに宇宙人といっても、ピンと来るはずがない。由梨香はインド洋に到着するまでやることもなく、狭く暑苦しい船室でひたすら酒を飲みながら花札に興じている乗組員たちのチンポを、順番にしゃぶり続けた。

「ああ、あたし、もっといじめて欲しいの」

由梨香は普通のセックスだけでは満足できずに、誰彼かまわず、船員たちにせがんだ。最初は遠慮していた船員たちも航海が長引くにつれ、不安と鬱憤がたまり、容赦なく由梨香をいじめるようになった。

「由梨香、灰皿だ」

由梨香は花札をしながらタバコを吸っている船員たちの周りを回って、口を開け、タバコの灰を受け止めていく、もちろん最後には由梨香の舌でタバコの火を消すのだ。ジュッと音がして由梨香の舌が焦げる匂いがする。何度も繰り返されたため、由梨香の舌の真ん中は火傷でケロイド状になった。

「お前の大好きな海水風呂に入れてやるよ」

漁船の風呂は通常海水である。全身傷だらけの由梨香には海水風呂に入るだけで、傷口がしみて恐ろしく痛むのだ。しかし、マゾの由梨香にとってはその痛みは帰って快楽で、海水風呂に浸かりながら、ソープ嬢のごとくボディを使って、船員たちの体を毎日、洗い清めなければならない。

「あたし、幸せです・・・」

全身の傷口に海水がしみる痛みに、顔を歪めながら由梨香は至高の幸福感を感じた。

 インド洋までの航海は長かった。重症マゾの由梨香に対する虐待は日に日にエスカレートし、遠慮がなくなっていった。船員の男たちは代わる代わるに由梨香を犯し、一人が正常位でチンポを挿入している間に、もう一人が由梨香の顔に跨り、放尿したりもした。

「おい、便器女。オシッコだ!」

「はい、どうぞ、由梨香の口を便器の代わりにお使いください」

由梨香は酒ばかり飲んでいるため、アルコールの分解成分が大量に混じった甘酸っぱいオシッコを嬉々として飲み干した。懸命にオシッコを嚥下している刺青の入った由梨香の顔がなんとも愛くるしい。毎日男たちに犯され続けた由梨香は妊娠し、数ヶ月たつと、お腹が膨らんできた。

「腹ボテになっちゃ、もう使い物になんねえな。どのみち日本に連れて帰る訳にもいかんし、海に投げ込むか」

船長の山本良蔵が考えた。マグロ漁船で性欲処理に使われた女が帰りの航海の途中で海に捨てられることは、業界の慣習として当たり前のように行われている。由梨香はお腹の膨らみが目立ってきた後も、アナルや口を使って、懸命に男たちの性欲処理や、便器女としてオシッコやウンチまでも飲み下したが、インド洋での長期間に渡るマグロ漁が終了し、日本に帰るための航海が始まると、証拠隠滅のために海に投げ込まれることになった。船員たちにはこの件に関して厳しい緘口令が敷かれる。

「由梨香ちゃん。長い間、ありがとう。おじちゃん達、お別れするのは寂しいけど仕方がないんだ」

「俺たち、これで借金が返せるから、日本に戻って、これからの人生、由梨香ちゃんの分まで頑張って生きていくよ」

「嫌っ、嫌よっ!お願い、何でもするからもっと虐めて!由梨香を見捨てないで!」

自分の運命を察知し、さすがに重症マゾの由梨香も動揺した。

「記念にこのリング貰っとくよ」

船員の一人が由梨香の鼻にピアッシングされていた装飾リングを引き千切った。

「きゃっ!」

鼻柱の軟骨と皮膚が裂け、血が噴出した。

「俺にも、くれ」

「俺も」

「俺も」

「きゃああああ!」

船員たちは、次々にマグロ漁船での思い出の記念にするために由梨香の体中にピアッシングされていた装飾リングを引き毟っていった。乳首、オマンコの襞、唇、へそ、などの皮膚が裂け、由梨香は瞬く間に傷口から流れ出る血液で血だるまになった。

「由梨香ちゃんさようなら・・・」

臨月の近い、お腹の膨らんだ由梨香は、苦痛にジタバタともがきながら、甲板から海へと突き落とされた。全身に卑猥な刺青の彫りこまれた全裸の妊婦である由梨香の姿が波間に消えるまで、そう時間はかからなかった。残された船員たちは甲板の上で寂しげにため息をついた。

「あーあ、見なくなっちまった。帰りの航海は女なしか・・・みんな喧嘩しないようにな。もめごとはごめんだぞ」

船長の山本は血まみれの金属リングを握り締めた。そのリングが地球にはない特殊な合金であることは誰も知らない。

 

第56話 動物園で飼育される女子大生(その3

 

 地球から約5000光年離れた場所に、地球によく似たネオガイア星がある。その星の首都メガポリスの郊外にある国立動物園で、元女子大生の阿部理沙(現在21歳)は、一匹の珍しい動物として飼育されていた。去年の花火大会の夜に宇宙人に拉致されてからすでに一年近くが過ぎている。そのとき、一緒に誘拐された友達の内田美帆や、樋口亜希子がその後、どういう運命をたどったのかは、全くわからない。美帆と亜希子が目の前で宇宙人によって生体実験を受けていたことだけは、おぼろげに覚えている。理沙は生きるために、必死で動物園の職員に協力し、見物客を楽しませることで、ネオガイア人たちの信頼を勝ち取っていた。数ヶ月前から理沙は檻から出され、比較的自由な触れ合い広場に移されていた。触れ合い広場では大人しい小動物や、哀願動物ばかりが集められ、幼稚園児や小学生たちの遊び相手をするのだ。見物客に餌をもらうことも檻の中にいるよりはるかに簡単である。全裸の理沙は広場から逃げないように、3メートルほどの余裕のある鎖を首輪につなげられ、風通しのよい屋外で青空を眺めながらネオガイア星人の子供たちとたわむれる日々を送っていた。

「わあ、地球人だ!さわっちゃえ!」

「噛み付いたりしないかなあ」

「大丈夫だよ、地球人はやさしい動物なんだよ」

「あたしたちと同じ様な格好してるけど人間じゃないの?」

「違うよ、似てるけど、地球人は動物なんだ。同じ人間だったら動物園にいるわけないじゃん」

「そうよね・・・」

遠足に来ている小学生たちは遠慮なく、理沙の体を触り回した。理沙はなるべく触りやすいように体を大きく広げ、オッパイやオマンコを触りやすいように気を使う。動物園側の意向に協力しなければ、檻に戻されるか、下手をすればモルモットとして生体実験に使われ、殺されてしまう。時には乱暴な子供に棒で叩かれたり、蹴られたりすることもあった。

「地球人なんて怖くないぞ。蹴りを入れてやる!」

子供は加減を知らない。突然、力いっぱい脇腹を蹴られて、理沙は悲鳴を上げた。

「きゃあ!何するの!」

「うわあ、地球人が吠えた。逃げろーっ!」

子供たちは理沙が怒るのが面白いらしく、理沙が油断していると、背後からこっそり忍び寄ってきて何度も何度も蹴りを入れた。また理沙はオシッコやウンチがしたくなると、触れ合い広場の隅にある砂場にいって、排泄しなくてはならない。まず、猫か犬のように砂場に穴を掘り、排泄するのだ。そして用が終わったら、砂をかけて穴を埋め、肛門の周りや、オマンコに砂をこすり付けて洗浄する。理沙が排泄しているときまって子供たちの嘲りを受けた。

「うわあ。きったねえ。地球人がオシッコをしているぞ」

「すごい量だ」

また、理沙は真昼間から、見物客がたくさん見ている中で、理沙の人生で唯一の楽しみとなったオナニーを行うこともある。

「ねえ、先生、あの地球人なにやってるの?」

「みんな見ちゃ駄目よ。あれはいけないことなの」

子供たちを引率の小学校の先生が見ないようにたしなめている。それで理沙はお構いなしだ。半ば、ふてくされ、半ばあきらめきった目で、見物客たちを眺めながらオナニーにふけるのだ。時折、野外であるため、雨が降ってくることもある。ネオガイア星では天候は気象庁によってコントロールされているのだが、自然な都市環境を作り出すために定期的に雨がふるのだ。土砂降りの雨が振っても、基本的に夜眠るとき意外、触れ合い広場の動物たちは屋根の下に入ることは許されない。雨にうたれて全身びしょ濡れになりながら、理沙は、幸せだった地球でのキャンパスライフを思い出し、悲しくなって涙を流した。

(あたし、一生このままなのかしら。もう、地球にはもどれないの?)

理沙の人生は宇宙人によって狂ってしまったのだ。まさに悪夢だった。

 

第57話 人間サンドバッグ

 

 朝倉小百合(現在25歳)は短大卒業後、テレビCMでも有名な大手消費者金融に就職したごく普通のOLだった。しかし、ある朝、支店の近くの地下鉄の駅の入り口付近でいつものようにティッシュ配りをしていたところを宇宙人に拉致され、四肢を切断されてダルマ女にされたのだ。小百合は全裸で腰にバイブレーター付の貞操帯を嵌められ、今では宇宙母艦オリンポスの娯楽室に吊り下げられて、人間サンドバックにされていた。

「いくぜ。俺のパンチを見てろよ!」

ネオガイア人の下級兵士の一人が渾身の力をこめて小百合の腹にパンチを叩き込んだ。鮮やかな右ストレートである。

「げふっ!」

小百合は口から血を吐いた。もちろん演出である。小百合の内臓はいくら殴られても破裂しないように特殊合成ゴムでつくられた人工臓器に置き換えられ、殴られるたびに口から血を流すように、口の中に血糊の入った袋が仕込まれているのである。

「六、・・・六十八キロです・・・」

小百合が苦しそうに顔をゆがめながら、答えた。六十八キロという測定値は長い間の経験から、小百合が自分の感覚で判断した大雑把なものである。

「先輩、たいしたことないですね」

「なんだとう。てめえ、適当な測定値出してんじゃねえだろうな!」

ネオガイア人兵士は小百合の顎を鷲摑みにし、荒々しく締め上げた。

「う、うう、ちゃ、ちゃんと測定してます・・・」

「じゃあ、なんで六十八キロなんだ!」

「そ、そんなこといわれても・・・」

「これが、本当に六十八キロか、ええ!」

後輩に馬鹿にされて逆上したネオガイア人兵士は小百合の顔を殴りつけた。顔は殴られても大丈夫なような強化手術をされていなかったため小百合の鼻がつぶれ、歯も折れ、口の中が切れて、本物の血が噴出した。

「ぎゃっ!・・・顔、顔はやめてください・・・」

「先輩、壊しちゃったら娯楽室の管理官に怒られますよ」

「うっ、まずい、俺としたことがついカッとなってしまった。気付かれないうちに逃げよう」

二人のネオガイア人兵士は苦しんでいる小百合を残して立ち去っていった。ボロ布のようにうなだれて、吊り下げられた小百合の股間では貞操帯に仕掛けられたバイブレーターがじらしモードで常に動いている。いつもイク直前に動きが止まるため永久に小百合が絶頂に達することはない。欲求不満がつのり、ストレスで小百合の精神状態は悪化の一途をたどっている。欲求不満を解消するためには誰かに貞操帯のスイッチを押してもらい、バイブレーターの動きをフルパワーモードに切り替えてもらうしかないのだが、それだと、今度は逆に24時間イキ続けなければならないため、体がもたないのだ。

「ああ、気が狂っちゃう・・・」

小百合の悪夢にも終わりがない。

 

第58話 専業主夫マイケル

 

 宇宙人の生体実験によって首から下の肉体を付け替えられたマイケル・パッカード(35歳、元生物学博士、黒人、国籍アメリカ合衆国)と有川菜摘(21歳、元ファミリーレストランのウェイトレス)は、現在宇宙人に占領された都市、さざなみ市の郊外にあるボロアパートで新婚生活を送っていた。二人とも、首には逃走出来ないように、命令に違反すると高圧電流が流れる奴隷用の首輪をつけられている。マイケルの首から下のもと菜摘の肉体は妊娠しており、もうすぐ臨月が近い。もちろん、赤ちゃんの父親は、菜摘の肉体である元マイケルの子種である。二人の住むアパートは築30年の四畳半にダイニングキッチンがついた狭い部屋で、壁も薄く、両隣の住人の声がよく響く。壁には以前の住人がつけたシミがあちこちにあり、匂いもきつい。風呂やキッチン、トイレは塗装がはがれたり、錆たりしている。二人はネオガイア人の占領本部のピタゴラス博士の管轄下におかれ、この部屋に住むことを強要されていた。さらに二人は衣服の着用を一切禁止され、首から下の入れ替わった奇妙な体を、一般市民にさらし続けなければならない。

「マイケル、仕事に行ってくるわ。お腹大事にね」

「ああ・・・」

男の体を持つ菜摘は毎朝、生活費を稼ぐために仕事に出かけなければならない。もちろん、全裸で、である。ショルダーバッグ一つを持ってアパートを出た菜摘は、近所の人や道ですれ違う、通行人たちに奇異の眼差しを向けられた。しかし、宇宙人の占領に慣れたさざなみ市の人々はあえて、声をかけようともせず、ただ、珍しそうに眺めたり、逆に目を背けたりするだけで、誰一人菜摘にかかわろうとはしなかった。

 

 菜摘が、通勤のために市営バスに乗り込むと、乗客たちはざわめいた。朝の市営バスは通学する高校生や中学生、職場へ向かうOLやサラリーマンでごったがえしている。ほぼ、すし詰めのバスに、全裸で首から下がたくましい黒人男性の体を持つ菜摘が股間の30センチはある黒々としたチンポをそそり立たせて乗り込むと、女子高生や女子中学生たちは悲鳴を上げた。

「きゃああっ!」

全く身動きの取れないぎゅうぎゅう詰めのバスの中で少しでも菜摘から離れようと乗客たちは身をよじる。逃げ場を失って菜摘の前に押し出され、そそり立った黒いチンポを体に押し付けられることになった女子中学生はあまりの不気味さにシクシクと泣き出した。他の乗客たちの非難の目が菜摘にむけられたが、毎朝のことなので菜摘は無視して気づかないふりをしている。通勤ラッシュのバスに揺られること30分で菜摘は勤務先である、さざなみ港に到着した。港の倉庫の一つで荷物の積み下ろし作業をするのが菜摘の仕事なのである。この仕事も菜摘が自分で選んだのではなく、占領本部のピタゴラス博士によって強制されたものだった。黒人の体を持つ菜摘は暑さにも強く、倉庫内で一番過酷な素手による荷物の積み下ろし作業を苦もなくこなした。他の作業員は作業服を着ていたが、菜摘だけは全裸である。汗だくになってハードな肉体労働をこなす菜摘の全身は黒光りして、異様な迫力に満ちており、他の作業員たちにも一目おかれていたが、みんなあまりかかわりたくないようだった。菜摘は懸命に肉体労働に従事しながら、自分をこんな体に改造した宇宙人を心の底から呪った。

(あたしの体、もう元には戻らないのかしら。一生こんな体で生きていかなくちゃならないの!マイケルはもうすぐ、あたしの体であたしの子供を出産しそうだし・・・ああ、頭がおかしくなりそうだわ!)

菜摘は出口のない異次元の迷宮に入り込んでしまったような気分だった。いつからこんなことになったのか。

(夢なら早く覚めてちょうだい!)

しかし、これは覚めることのない現実だった。

 

 四畳半のボロアパートから菜摘を送り出した後、マイケルは掃除洗濯を終え、近所のスーパーへ買い物に出かけることにした。身重のマイケルは生活費の確保を菜摘に任せ、専業主婦に専念しているのだ。首から下が小柄な日本人女性で、全裸の妊婦であるマイケルが、サンダルだけを履いて、いつものスーパーに行くと、店員や買い物客たちが見てはいけないものを見てしまったかのように顔をそむけた。マイケルはいつものことなので、気にせず、食料品を選んでいると、一人の男がマイケルの傍らにさりげなく寄り添ってきた。

「マイケル・パッカード博士ですね?」

男はささやいた。マイケルは不信感のこもった目で男を見つめた。

「私は、宇宙人に抵抗するレジスタンス組織のものです。あなたに協力を願いたい」

男はレジスタンスのメンバーである神田正之(元刑事、37歳)だった。マイケルがどう答えて良いか判らず、黙っていると正之はさらに話を続けた。

「あなたは、長年アメリカ軍の秘密研究施設で宇宙人について研究をしてこられた。その知識を我々に提供して頂きたい。レジスタンスの仲間になっていただけませんか?」

マイケルは信用してよいものかどうか、迷いながらも口を開いた。

「残念ながら、私は身重の体です。子供が生まれるまで、激しい運動は出来ない。それに、私の首には宇宙人につけられた、センサー付の首輪が嵌められていて、彼らの命令に逆うと高圧電流が流れるようになっている。今、こうして話している内容も首輪を通して彼らに筒抜けかもしれない・・・」

盗聴の可能性を考え、神田正之は少しひるんだようだった。

「・・・そうですか、仕方がないですね。でも、我々はいつもあなたを影ながら見守っていることをお忘れなく。助けが必要な時はいつでも申し出てください」

「ありがとう・・・」

マイケルはやっとこの初めて会う男をいくらか信用してもよい気になった。それだけ伝えると、神田正之は声を掛けてきたときと同じように、さりげなくマイケルの傍から離れて行った。スーパーで買った食料品の入った買い物袋をさげて、ボロアパートに戻ったマイケルは、この絶望に満ちた状況に、一筋の希望が見えたような気がした。

 

 地球占領本部のイソップ放送局長は、地球テレビ番組の研究のため、様々な国のテレビ放送を受信し、日夜、参考になるものはないか探していた。その中でイソップは日本の国営放送のニュース番組に出演している、ある女性キャスターに目をつけた。高畠美鈴32歳、入社10年目のベテラン女子アナウンサーである。所属しているのが国営放送局であるため、テレビに出演するときも地味目の服装で、他局の女子アナのようにチャラチャラした雰囲気はない。喋る内容やコメントも毒のない無難なものばかりである。イソップは彼女を誘拐し、自分の放送局のニュース番組に出演させることにした。すぐに転送ビームで誘拐された美鈴は一週間の洗脳教育の後、夜のニュース番組に出演することになった。朝のニュースは元民放系の別のキャスターたちがやっているのだ。美鈴は地味な薄い水色のスーツを着ていたがノーパンノーブラで、胸元をはだけ、オマンコかよく見えるようにスカートを捲り上げて、両太腿を全開にしながらニュースの原稿を読むように強要されている。

「今日、午後2時半ごろ、さざなみ第2高校で、ネオガイア人兵士3名による女子高生の強姦事件がありました。突然校内に乱入した兵士たちは女子生徒を一列に並ばせて、品定めをし、その中の美人の女子高生ばかり12人を次々強姦した模様です。もちろん、支配者であるネオガイア人兵士は罪に問われませんが、彼らの暴力に抵抗した地球人の男子生徒と男子教諭の5人が反逆罪で強制収容所送りになりました。」

ニュースは目を覆うようなひどい内容ばかりだったが、美鈴はプロらしく顔色ひとつ変えずに読み続けた。オマンコを放映されている恥ずかしさも、グッと押し殺している。放送終了後、電話やメールで様々な要望やリクエストが寄せられてきた。

『美鈴タンをウサギに改造してください』

『鼻の穴がもっとよく見えるように広げてください』

『豚のように肥満化させてください』

などである。番組制作側としては視聴者の要望に応えなければならない。早速、イソップ放送局長と仲のいい、人体改造の権威であるピタゴラス博士が呼ばれ、美鈴の改造手術が始まった。

 

 手術台に四肢を固定された美鈴の顔が、主に改造の対象だった。まず、リクエストのウサギらしくするために、元々あった、人間の耳が削ぎ落とされ、変わりに培養した細胞でつくられた生体部品の長い耳がくっつけられた。この耳は筋肉が入っており、美鈴の意思でピンと頭上に立てることが出来る。長さや50センチもある長い耳である。さらに、上唇の真ん中に切り込みを入れてウサギらしくミツクチにし、目には赤い、合成着色料の色素が流し込まれた。どれも、永久に持続する改造手術である。

「ウサギらしく、これから毎日、朝昼晩の食事は全部人参にしよう。それからウサギは一度排泄した自分のウンチを食べるというから、それもちゃんと本物のウサギらしく実行するんだぞ」

「そ、そんな、あたしウサギじゃありません」

「何を言う、どこから見てもウサギじゃないか。」

ピタゴラス博士に変わり果てた自分の姿を鏡で見せられ、あまりのショックに美鈴は気絶した。さらにピタゴラス博士は元々、少し大きめだった美鈴の鼻を拡張し、上向きになるように手術して、視聴者に鼻の穴がよく見えるようにした。

「肥満化させるというのは、少しずつ過食させて徐々にやるしかないな」

美鈴の手術は完了した。翌日、夜のニュースで再び美鈴がテレビの画面に登場した時、視聴者は美鈴のあまりの変わりようにショックを受けた。

「今日夕方、6時ごろ、ネオガイア本星より、輸送船が到着しました。輸送船にはネオガイア星人の観光客ら十数人が乗っており・・・・」

いつも通り、ニュースの原稿を読み上げる美鈴はミツクチのため、少し発音が不明瞭になっている。回りスタッフたちは、何食わぬ顔で接しているが、美鈴自身は対面にあるモニターに映し出される自分の化け物のような顔を見て、悲しくなり、今にも泣き出しそうだった。

 

第59話 義経=ジンギスカン伝説

 

 歴史学者の岩波遼太郎教授(58歳)と、ネオガイア人の科学者クロノス博士は、時間航行機を使って、時代から時代へと時間の旅を続けていた。クロノス博士の目的は地球の歴史上の美女を拉致すること、岩波教授の目的は歴史の謎とされている出来事の真相を、ネオガイア人の時間航行機を利用して解明することである。岩波教授は自分の研究のために魂を宇宙人に売り渡したのだ。はるか邪馬台国の時代より女王卑弥呼を誘拐した二人は、次に紀元1160年の京の都に実体化した。岩波教授の目的は『源義経=ジンギスカン』説の真偽を確かめることであり、クロノス博士にはこの時代に案内したのは歴史上、美人で名高い常盤御前、静御前などを捕獲するのが目的だと、言ってある。銀色に輝く小型の円盤のような形の時間航行機はしばらく京の都の上空に停止し、下界の様子をX線望遠鏡で眺めることにした。彼らが注目しているのは源義経の母親である常盤御前である。平治の乱で平家に敗れた源氏の棟梁、源義朝の妾であった常盤御前は平家に捕らえられ、幼い3人の子供と一緒に、平家の棟梁、平清盛の前に引き据えられていた。

「どうぞ、この子供たちだけはお助け下さい!私の身はどうなっても構いませぬ!」

必死に哀願する常盤御前の美貌に平清盛の心は揺れ動いた。3人の子持ちとはいえ、常盤御前はまだ20歳である。源義朝にその美貌を見初められただけのことはある。

「どうなっても構わぬか。ならば、わしの妾になれ。しかし、普通の妾ではつまらん。わしの思うがままにどんな恥ずかしいことでも平気でやる、というのが条件だ」

「それで、この身とわが子らが助かるのであれば・・・」

「そうか、では、試しに裸になって子供たちの前で自慰にふけるのじゃ」

「・・・そ、そんな御無体な」

「いやなら、親子ともども、殺すまでじゃ」

「や、やりまする・・・」

常盤御前は懐に抱いていた、生まれたばかりの牛若丸を、地面に置くと、着物を脱いで裸になった。下着の腰布もとってオマンコを剥き出しにする。冬の寒空の下なので恐ろしく寒い。抜けるような白い肌と美貌に居合わせた平家の武士達は息を飲んだ。

「あ、ううう・・・」

常盤御前は股間に指を這わせ、奥ゆかしいあえぎ声を遠慮がちにもらす。気温が低いため吐息が白い。

「お母さん!」

すでに物心のついている乙若と今若が叫んだ。

「黙って見ているのよ、お前たち!」

母親に厳しくたしなめられて、二人の子供は黙りこんだ。しかし、生まれたばかりの牛若丸だけは泣き止まない。常盤は3人の子供たちと平家の武士たちに見守られながら絶頂に達した。

 

 常盤御前と3人の幼い子供たちは、京の都にある平清盛の館に住むことになった。常盤御前の身分は清盛の妾であったが、清盛には正室の他に十数人の若い側室たちがおり、常盤御前は彼女たちの一番低い立場におかれた。命を永らえるためとはいえ、常盤御前の毎日は屈辱に満ちたものだった。

「常盤よ、みなの前で裸踊りを踊ってみい」

「はい、清盛様。かしこまりましてございます」

常盤御前は着物を脱いで全裸になり、側室や侍女たちが、やんややんやとはやし立てる中、扇を持って、舞を踊った。3人の幼い子供たちが部屋の隅で困惑しながら母親のあられもない姿を眺めている。

「おほほほ、なんと、はしたない女でおじゃりますこと。とうてい源氏の棟梁の思い人だったとは思えませんわ」

「本当なら親子ともども首をはねられても仕方のないところを、清盛様のはからいで、助けていただいたのじゃ。何をされても、文句は言えぬお立場じゃ」

側室たちが笑いながら囁き交わしている。常盤御前は恥ずかしさのあまり泣き出しそうだったが、わが子たちのためにも耐えねばならない、と歯を食いしばって自分に言い聞かせた。

「見事じゃ、見事じゃ」

舞いが終わり、上座に座る平清盛が手を打って喜んだ。常盤御前が部屋の隅に寝かせていた乳飲み子の牛若丸を抱き上げた時、常盤御前の裸体が白い光輝に包まれた。

「な、なにごとじゃ!」

その場に居合わせた者達は騒いだが、あっという間に常盤御前の姿が陽炎のように薄れ、牛若丸ともども忽然と消え失せてしまった。

 

 常盤御前はネオガイア星人の時間航行機の転送室の中で実体化した。

「しまった、余計なものまでさらってしまった」

クロノス博士は舌打ちした。牛若丸も一緒に転送してしまったのだ。岩波教授の顔色が青くなった。

「この時点で常盤御前と牛若丸をさらってしまったら、歴史が変わります!」

「なあに、心配ない。この宇宙はたくさんの平行宇宙から成り立っているのだ。全て歴史の流れが同じ、だという訳ではない。」

「しかし、我々は元の時代に帰れなくなってしまうのでは?」

「心配ないって。わしの発明した時空ナビゲーションシステムを使えば、どんなに歴史が混乱しても、ちゃんと元の歴史が流れている平行宇宙に戻れるようになっている。わしの天才的な能力を疑うのかね!」

「い、いえ、滅相もない。・・・それじゃあ、ものはついでです。このまま、この時代のもう一箇所別の場所へ飛んでもらえませんか。」

「別の場所?どこだねそれは?」

「モンゴル高原のブルカン岳の麓です。・・・え、ええ、そこにも歴史上名高い美女がいるのです」

「そうかね、了解した」

時間航行機は京の都を離れ、モンゴル高原へと向かった。わずか30分ほどで到着する。

(ジンギスカンの存在を確認せねば。彼の、生まれたといわれる年代も源義経と、ほぼ同じはずだ)

モンゴル高原の上空に停止した時間航行機からX線望遠鏡で眺めると、地平線の果てまで広がる草原に遊牧民たちの集落がいくつも点在している。そのうちのひとつ、モンゴル族の長、エスガイの天幕で生まれたばかりのテムジン(後のジンギスカン)は母ホエルンの胸の中に抱かれていた。

(やはり、源義経とジンギスカンは別人だ。いくらなんでも同一人物のはずがない)

岩波教授は『義経=ジンギスカン説』はただの伝説だったと確信した。そのとき、クロノス博士が瞬間物質転送機のコントロールパネルを操作し、母ホエルンと乳飲み子のテムジンを誘拐した。

「な、何をやってるんです?」

岩波教授があわてた。

「何って、彼女を拉致するためにここまで来たんだろう?」

「・・・・」

岩波教授は反論出来なかったが、本当にこんな暴挙をしでかして、大丈夫なのかと怖くなった。ホエルンはまだ18歳の美女だった。モンゴル族の長エスガイが見初め、隣の部族から危険を犯してさらってきただけあって、容姿端麗でモンゴル人離れしている。ホエルン、常盤御前、テムジン、牛若丸は捕虜として同じ部屋に監禁された。隣の部屋には別の時代で捕まえた卑弥呼も監禁されている。

「もうこの時代には用がない、次の時代へ向かうが、いいかね岩波教授」

「え、ええ、いいですよ」

岩波教授は自分のやっていることに今更ながら恐怖心を感じ始めていた。

 

 紀元1179年、平安時代末期、京の都。日本の権力中枢は朝廷を離れ、新興勢力である平家一門に握られつつある。もはや、武士の時代の到来は目と鼻の先である。そのあわただしい、京の町のはずれの河原で、時の放浪者、久石千鶴は身を潜めていた。職業は遊女である。ある晩、千鶴が客引きのため、京の町を歩き回り、いつもは行かない方角へと足を伸ばした。そして五条大橋を渡ろうとした時、一人の巨漢に呼び止められた。見ると、僧兵の格好をしており片手に巨大な薙刀を持っている。

「待てい!そこの遊女!」

「何か御用でございますか、お坊様。私は遊女でござりますゆえ、銭を頂ければ、いくらでもお相手いたしまする」

千鶴は臆することなく応えた。今まで様々な苦難を乗り越えてきた千鶴にとって本当に恐ろしいことなど、滅多にない。しかし、僧兵は吼えた。

「わしは武蔵坊弁慶じゃ。千人切りの近いを立てた。お前は、その999人目の女じゃ。もちろん、修行中の身ゆえ銭などない。力付くで犯してくれよう!」

(武蔵坊弁慶!千人切りとうのは、千本の刀を集めるという、話じゃなかったの・・・)

千鶴は困惑したが、戦って勝てる相手ではなかった。千鶴は降参し、おとなしく弁慶に犯されることにした。どうせ、今まで数え切れないほどの男や女に陵辱されてきている。宇宙人に復讐を誓った千鶴にとって、命永らえ、現代にたどり着くことの方が大事である。千鶴が弁慶に組み敷かれ、巨根をしゃぶっていると、もう一人の通行人が通りかかった。小柄な女性のような姿で笛を吹いている。

「今夜はついておるわい。これで千人切り達成じゃ!」

弁慶は千鶴をほったらかし、その通行人に襲い掛かった。少女はパッと身軽に橋の手すりに飛び上がり弁慶の攻撃をかわした。

「残念だが、俺は男だ。名は牛若丸、源氏の棟梁、源義朝の落胤だ!」

「なんだとう!この際男でも構わん。ケツを貸せ!」

弁慶と牛若丸の戦いが始まった。結果は当然、牛若丸の勝ちである。

「御見それしました。この弁慶をあなた様の家来にしてくださいませ!」

こうして武蔵坊弁慶は牛若丸の家来になった。そしてなぜか、千鶴も彼らに同行し、源義経一党の性欲処理を担当することになったのである。

 

『平家にあらずば人にあらず』と豪語するほどに平家の支配は専横を極め、やがて日本各地で潜伏していた、源氏の残党が反乱の火の手を挙げた。牛若丸こと源義経も兄頼朝のもとにはせ参じ、源氏の先鋒として平家の大軍を蹴散らした。そして西国へと落ち延びた平家の軍勢を最後に壇ノ浦で全滅させると、義経は意気揚々と京の都へと凱旋した。 

 「戦勝の宴じゃ。わが御館様は天下無敵ぞ!」

武蔵坊弁慶、那須与一ら、義経直属の部下たちが浮かれている。性欲処理係として彼らに同行し各地の戦場を転戦してきた千鶴は、祝杯の席でも裸踊りをしたり、お尻を突き出して犯されたり、乳房を揉まれたりしていた。中でも義経の最愛の妾である静御前はまだ22歳の若さであったが、家来たちの性欲処理係になっている遊女の千鶴をさげずむような目で見下し、時にはイビったりしていた。

「千鶴、私の足を揉んでたも」

「はい、静御前様」

千鶴は大人しく従った。こういう状況では逆らわずに従うのが一番である。千鶴が跪いて静御前の足をささげ持って丁寧に揉んでいると、静は足の裏をぐいぐいと千鶴の顔に押し付けてきた。

「お前の口で揉んでたも。歯を立てるではないぞよ」

「はい、静御前様。」

千鶴は静御前の可愛らしい足の先を口に含み、舌と唇を使って、丁寧にマッサージした。

「よっこらしょと」

那須与一が千鶴の着物の裾をまくりあげ、千鶴の後ろからチンポを突き立ててきた。

「うう、あああっ!」

千鶴がうめいた。日々乱交にふけった、この時が源義経一党にとっては絶頂期だった。

 

 やがて調子に乗っていた源義経は、遠く関東の地に鎌倉幕府を開設した兄頼朝より、ふとしたことで反逆罪に問われた。元々たいした政治的基盤もなく、ただ周囲にもてはやされることで錯覚し、調子に乗っていただけの義経一党はあっさり、京の都を追い出され、東北地方へと逃亡した。

「御館様、これからどうするかが、歴史の分かれ道でございます」

千鶴が弁慶に犯されて喘ぎながら、義経に申し上げた。

「というと?」

「この衣川の館で討ち死にするか、このまま北上し、蝦夷地へ逃れて、大陸へ渡るかでございます」

「大陸へ渡って、その後どうする?」

「ひょっとしてジンギスカンとして再起を果たせるかも・・・」

「ジンギ・・・なんだって?」

ともかく一党は蝦夷地へ逃げることにした。追っ手の藤原泰衡の軍勢が義経の潜伏する衣川の館を包囲したとき、そこはすでに、もぬけの殻だった。藤原泰衡は仕方なく館に火を放ち、義経一党をことごとく討ち果たした、ということにして鎌倉幕府の源頼朝にウソの報告をした。一方、衣川の館を逃れた義経一党は、千鶴の提案に従い、蝦夷地より、アイヌ人の交易路を使って、樺太から大陸へと渡り、数年の厳しい放浪の後にモンゴル高原へとたどり着いた。しかし、そこでは、すでにモンゴル族の長であるテムジンこと本物のジンギスカンが、激しい戦闘を繰り返し、高原に住む数十万人の遊牧民たちを統一する最終段階に入っていた。半ば野盗と化していた義経一党はテムジンの軍勢に駆り立てられ、捕縛されてテムジンの前に引き据えられた。もはや、日本を脱出した仲間のうち、生き残っているのは義経、弁慶、千鶴の3人だけである。

(話が違うぞ、千鶴!)

義経と弁慶は、想像していたのとは違う展開に、千鶴に非難の目を向けた。

「お助けください、テムジン様。助けていただければ、これからは、テムジン様の手足となって働きまする」

放浪生活ですっかり性格の変わってしまった義経が情けない声で哀願した。弁慶も頭を地面にこすり付けている。帝王の威厳を備えたテムジンは3人にあまり興味がないようだった。

「とにかく、女は助けよう。それがモンゴル族の流儀だ。捕虜にした男は首を刎ねる、それもモンゴル族の流儀だ」

「そ、そこを曲げてなんとか・・・」

「ええい、見苦しい。やはり処刑だ!」

「ひいいいっ!お、おい、千鶴、俺がジンギスカンになるんじゃなかったのか!」

はるばるモンゴル高原まで落ち延びてきた、義経と弁慶は、本物のジンギスカンにあっけなく首を刎ねられて死んだ。

(ごめんなさい、あたしが聞きかじった歴史の仮説で、つまらない入れ知恵をしたばっかりに・・・)

一人だけ生き残った千鶴は、二人に悪いことをした、と後悔したが気にしている余裕はなかった。現代まであと800年余り、すでに折り返し時点は過ぎている。

 

 常盤御前とホエルンを誘拐した、クロノス博士の時間航行機は数百年の未来へと移行した。しかし、そこはかつて、彼らの知っている未来とは違っていた。

「クロノス博士、何かが違うようです」

岩波教授が青くなって叫んだ。彼らが幼い、源義経とジンギスカンを誘拐してしまったために歴史が変わっているのだ。まず、日本では義経による平家打倒が成立しなかったために挙兵した源頼朝が敗退し、鎌倉幕府が成立せず、平安時代が続いていた。大陸ではジンギスカンによるユーラシア大陸の統一がされなかったために、東西の交易が進まず、このままでは、準備不足のため大航海時代を迎えることが出来ない。

「どうするんです、クロノス博士」

「おかしいな、わしの時空ナビゲーションが働いておらんのかなあ」

クロノス博士はぶつぶつ言いながら、時空ナビゲーションに異常がないか調べている。岩波教授は仕方なく時間航行機の中に与えられた、自分の研究室に戻って行った、そこの続き部屋には、捕獲した常盤御前、ホエルン、卑弥呼が閉じ込められている。常盤御前とホエルンは同じ部屋に閉じ込められているため、仲良くなってレズプレイにふけっていた。マゾである岩波教授は、日課となった、サドの卑弥呼の調教を受けるために、卑弥呼の監禁されている部屋の鍵を開け入っていった。

「卑弥呼女王様。本日もよろしくお願いします」

「遅いではないかえ!さっさと服を脱ぐのじゃ」

岩波教授は衣服と下着を脱ぎ、卑弥呼の前に老体をさらした。

「わらわの、ゆばりを飲むのじゃ。たんと溜まっておるぞえ」

「ありがたく頂きます、女王様」

卑弥呼は岩波教授の顔の上にまたがり、思い切り放尿した。

 

時空ナビゲーションの異常個所が発見できず、イライラしてきたクロノス博士は気分転換に、捕獲した美女を犯すことにした。岩波教授は卑弥呼の調教を受けている隣の部屋に監禁されている常盤御前とホエルンを犯すのだ。別の歴史の中では、決められた役割を果たした末に死亡した牛若丸とテムジンは赤子のまま、なすすべもなく母親の腕の中で泣いている。

「子供を助けて欲しければ、わしのチンポをしゃぶるのじゃ。二人同時に両側から丁寧にな」

自動翻訳機で中世の日本語とモンゴル語に変換されたクロノス博士の言葉に二人の若き母親は素直に従った。二人とも権力者に弄ばれることには慣れている。スペーススーツのズボンをさげて、クロノス博士が取り出した、そそり立ったチンポを、言われたとおり常盤御前とホエルンは舌を伸ばして、両側から挟みこむように舐め始めた。二人とも両腕にはしっかりと、本来、英雄になる運命のはずだった赤ちゃんを抱いている。

「う、うう、極楽じゃ・・・」

クロノス博士が白い液を飛び散らせたとき、部屋に時間航行機に護衛として乗り組んでいるネオガイア人兵士達の隊長であるオデュッセウスが入ってきた。

「何をやっているんです、クロノス博士!遊んでないで、早く、時空ナビゲーションを直してください!」

「わ、わかっておる。ちょっと息抜きをしていただけじゃ」

クロノス博士は床に飛び散った精液を常盤御前とホエルンに舌で舐め取らせると、罰が悪そうにズボンを履き、修理のためにコクピットに戻って行った。

 

 紀元1189年、源義経が衣川の館で、郎党ともども討ち死にした、という報告が伝えられた。義経の最愛の妾である歴史に名高い静御前は鎌倉幕府の源頼朝のもとに捕虜となり、日夜、辱めを受けていた。もちろん、率先して辱めていたのは源頼朝と妻である北条政子である。

「そんなに、義経が恋しいのか。しかし、やつは、衣川の館で討ち死にしたぞ」

頼朝は悲願に暮れる静御前に意地悪く言った。静御前は気丈にも頼朝をにらみ返した。

「義経様が、おらずとも、私のお腹の中には義経様の子供の命が宿っておりまする」

「ふん!反逆者の子供など、生かしておくものか!生まれてきた子供が男だったら即座に殺す。女であれば命だけは助けてやるが・・・」

「鬼!」

妊婦である静御前は、幕府で開かれる、宴のたびに舞を舞わされた。時には臨月に近い、はち切れんばかりの腹を晒しながら裸で舞うこともある。彼女はただの戦利品なのだ。やがて、静御前が出産した義経の赤ちゃんは男だったため、即座に処分された。ボロ布のようになり、もはや無害な存在になった静御前は、頼朝に飽きられ、京の都に送り返された。そして、数年が過ぎたとき、突如、京の都の上空に再び出現した、ネオガイア人の時間航行機によって拉致された。

「おお、元の歴史の世界にもどったぞ!」

コクピットでクロノス博士が歓声をあげている。ここにたどり着くまでにあらゆる平行宇宙をさまよい、最初に常盤御前とホエルンを拉致した時より時間航行機の船内時間で約3年が経過している。

「いい加減にしてください、クロノス博士!また歴史上の人物を誘拐ですか!」

オデュッセウスが叫んだ。いつ果てるともない長年の放浪でやつれきっている。

「大丈夫だ。時空ナビゲーションは完全に直った。それにこの時点でこの女を拉致しても歴史には大して影響がない、と岩波君が言っている」

オデュッセウスはじめネオガイア人兵士たちは不信の目を向けている。

「現代に戻ったとき、出発した時点に戻ればいいではないか」

「しかし、我々は3年分年をとっています。その間の給料は支払われるのですか?」

「・・・その辺は戻ってから、人事局と相談してくれ」

静御前は常盤御前と、ホエルンが生活している狭い部屋に一緒に入れられた。時間航行機には、あまり開いているキャビンがないのだ。3歳に成長し、キャッキャッと騒ぎながら戯れている牛若丸とテムジンに、静御前はふと奇妙な感覚に襲われた。

(この童、誰かに似ておるぞよ・・・すごく懐かしい気がするでおじゃる。なぜじゃ・・・義経様を思い出す・・・)

当然、3歳の牛若丸に静御前の記憶はない。じっと自分を見つめる静御前を、牛若丸は不思議そうな眼差しで見返した。

 

第60話 奴隷夫婦(用務員編)

 

 桜井真司(現在29歳、元ベンチャー企業社長)と桜井弥生(現在26歳、元電子部品メーカー秘書課勤務)の美男美女夫婦は、宇宙人占領地区にある、さざなみ市立第一中学校で住み込みの用務員として働くことを強要されていた。宇宙人に奴隷用のセンサー付の首輪を嵌められた二人は、生徒や先生の命令に絶対服従で従わなければならない。用務員というより校内奴隷である。他の地球人の生徒や先生は普通どおり、衣服を着用していたが、二人には衣服の着用は全く許されていない。常に全裸で校内の仕事に従事しなくてはならない。仕事の内容は、校内の清掃や、給湯、御茶出し、来客の接待、給食の準備、学校で買っている生き物の世話や植物の手入れである。その他、先生、生徒の命令することは、例えどんなに理不尽なことであっても、なんでもこなさなければならない。住居は4畳半の狭い用務員室だった。まず二人は、毎朝6時に起床し、学校の設備に異常がないかを確認し、校庭を掃除する。もちろん全裸で、である。そして、先生や生徒が登校し始めると校門の前に土下座をし、出迎えなければならない。

「おはようございます」

「おはようございます。今日も、勉強がんばってください!」

生徒に一人一人丁寧に頭を下げる真司と弥生に、彼らは軽蔑の目を向けるだけである。時にはふざけて唾を吐きかける、たちの悪い生徒もいる。全員が登校し終わると、校舎の掃除である。まず、下駄箱に入っている、その日に割り当てられたクラスの生徒の靴を丁寧にブラシでみがき、教職員の靴は全て、毎日、ブラシを使わず、舌で綺麗に清めなければならない。もちろん、舌で清める前には歯磨きとうがいを念入りに行い、口を清めてからである。真司が女教師たちの靴やハイヒールを清め、弥生が男性教師の靴を清めるのだ。雨の日でどんなに泥だらけでも、靴の裏から中の方まで、丁寧に舌を這わせなければならない。特に足の匂いがきつい男性教師の靴の中を舐めながら、弥生が嘆いた。

「オエッ!吉村先生、また足の匂いがひどくなったみたい。ねえ、あなた、こんなこと、ずっとやらなくちゃいけないの?」

「ああ、そうだな。宇宙人には逆らえないんだ。どんなにつらくても、我慢するしかないんだよ、弥生」

女教師のハイヒールのかかとをしゃぶりながら真司が応えた。弥生も、どうにもならないのは判っているのだが、不満を口に出さずにはいられない。真司は時々、弥生が夜中に目を覚まし、一人ですすり泣いているのを知っていた。

 

 午前中の仕事は、主に校内各所の掃除や、個別に各先生に命令された授業の準備などである。体育用具を倉庫から出したり片付けたり、家庭科の実習の材料を買出しに出かけたり、である。買出しは近所のスーパーへ行くのだが、当然そのときも全裸である。買い物客たちは全裸で買い物に来ている真司や弥生の姿をジロジロと見ているが、宇宙人に首に嵌められた奴隷用の首輪を見ると、誰もとがめようとしない。そして、昼前になると給食の準備である。トラックで搬入されてくる全校生徒の給食や食器の積み下ろし作業を、夫婦二人で汗だくになりながらやらなければならない。配膳は各クラスの生徒が行う。そして給食が始まると、二人は割り当てられたクラスの教室を回って、生徒たちの食べ残しの残飯を頂くのである。そのほとんどは生徒たちの嫌いな食べ物である。

「おい、真司、このピーマン食ってくれ」

「あたしのほうれん草もあげるわ」

「牛乳飲んで頂戴」

「はいはい、只今」

真司は全裸で生徒たちの席を回って、残飯を食べなければならない。奴隷用務員である真司に拒否することは出来ない。一方弥生も全裸で別のクラスを回っている。

「弥生、こいつを食ってくれ」

性質の悪い男子生徒が、御飯に牛乳をぶっかけ、デザートのゼリーを混ぜたものを弥生の前に突き出した。さらに、自分の口の中で咀嚼したハンバーグも吐き出して器の中に混ぜる。

「食え!」

「はい、頂きます・・・」

弥生はその生徒の席の足元に正座をし、手掴みで汚物と化した残飯を食べ始めた。惨めさに涙がこぼれ落ちたが、米の一粒たりとも残すことは許されない。奴隷用務員である弥生には例え不良であっても、生徒の命令は絶対なのだ。弥生が牛乳、ゼリー、ハンバーグの混じった御飯を食べ終わったころ、教室の端の方に座って給食を食べていた女子生徒がゲロを吐いた。

「オエエエッ」

「きったねえ、お前、また吐いたのかよ。嫌いな牛乳を無理して飲むからだって」

その女子生徒は嘔吐癖があるらしい。担任教師が顔をしかめて言った。

「ちょうどいい、用務員の弥生君がいる。片付けてもらおう」

「この際、弥生に口で掃除させたら?ゲロも食べてみたら、案外、美味しいかもよ」

性質の悪い別の女子生徒がふざけて言った。たとえ冗談で言ったことでも弥生は従わなければならない。弥生は目をつぶり、こみ上げる吐き気と必死に戦いながら、机とトレイの上を覆いつくしているゲロをすすった。

 

「キャーッ!この女、本当に人の吐いたゲロを食べてるわ、信じられなーい」

生徒達は、キャッ、キャッと喜んで笑い声を上げた。昼休みの終わりごろ、真司が体育館の周りを掃除していると、一人の真面目そうな男子生徒に呼び止められた。

「真司、ちょっとやって貰いたいことがあるんだけど」

「なんでしょうか?」

「僕は生徒会の風紀委員長なんだけど、今、体育館の裏でタバコを吸っている不良生徒を見つけたんだ。注意してやめさせて貰えない?」

真司はギクリとした。恐らくこの生徒は自分で注意するのが怖いのだろう。当然真司は命令には逆らえないが、奴隷の真司が注意して大人しく不良が言うことを聞くとは思えない。

「わ、わかりました・・・」

しぶしぶ真司は了承すると、不良生徒たちがたむろして喫煙している体育館の裏へ行った。そこでは数人のガラの悪い女子生徒が、しゃがみこんでこんでタバコを吸っていた。

「何だてめえ!」

全裸でノコノコと近づいていった真司を女子生徒たちが睨み付けた。真司は不良生徒たちの足元に土下座をし、額を地面に擦り付けながら叫んだ。

「お願いします。タバコを吸うのを辞めていただけませんか!」

「なんだとう!」

「こいつ、奴隷用務員の真司よ」

「奴隷のクセにあたし達に命令しようっていうの」

怒り狂った女子生徒が真司の背中に土足の足を乗せ、靴の裏で踏みにじった。

 

「お願いします。タバコを吸うのをやめてください!」

真司は苦痛に顔をゆがめ、背中を踏みにじられながらも叫び続けた。女子生徒たちが真司の周りに集まり、逆上して殴る蹴るの暴行を加える。それでも真司はひるまず、タバコを吸うのを止めてくれるように、懇願し続けた。一人の女子生徒が真司の髪の毛を鷲掴みにして顔を上向かせ、フーッとタバコの煙を吐きかけた。ゴホッゴホッと真司はむせた。

「うるせえんだよ!そんなに、止めて欲しけりゃ止めてやるよ。その代わり、お前の得意な曲芸をあたし達に見せてごらん。あたし達を満足させてくれたら、タバコを止めてやるからさ」

「曲・・・芸ですか・・」

「そうよ」

真司は女子生徒に火のついたタバコを貸してくれるように頼むと、それを肛門にはさみ、逆立ちをした。そして、括約筋を動かして器用にアナルで、煙を吸ったり吐いたりした。女子生徒達は目を丸くした。真司は用務員奴隷になる前、曲芸ダンサー奴隷として訓練を受けていたためこういう事は得意である。真司は逆立ちを止めると、肛門からタバコを抜き、2メートルほど離れた地面に火の付いた方を上にして突き刺した。

「精液を飛ばして、あの火を消します」

真司はそう女子生徒達に宣言すると、直立不動でオナニーを始めた。右手が目にも止まらない速さでチンポをしごく。あっけにとられた女子生徒達が、固唾を呑んで見守る中、一分ほどで真司は絶頂に達した。観客を飽きさせないため、早くイクように訓練されているのだ。

「ううっ、あっ、イキます!」

真司は狙いを定めて、チンポの先から白い液を飛ばした。勢い良く飛んだ精液の固まりは見事に2メートル先のタバコの先端部分に命中し、イカの焦げるような匂いと共に火を消した。

「すげえ!」

「奴隷の真司のクセにやるのね」

不良の女子生徒達は、真司の洗練された見事な芸に、我を忘れて拍手喝采した。

 

 放課後、弥生は生徒会室に呼び出された。全裸で出頭した弥生に、生徒会の清掃委員である女子生徒が怒気を含んだ声で喚きたてた。

「弥生!3階の女子トイレの掃除が全く、出来ていないわ!」

「申し訳ございません。ですが、昼過ぎに掃除したばかりです・・」

「奴隷用務員のくせに口答えするの!」

清掃委員の女子生徒はさらに、怒り狂い、弥生の髪の毛を掴むと、3階の生徒用のトイレへ連れて行った。女子用の個室の和式便器のひとつが汚れていた。タイルにオシッコが飛び散り、水洗の水流では流し切れなかったウンチのカケラが便器のへりにこびり付いている。明らかに、弥生が昼間掃除した後に汚されたものだった。

「弥生、わかってるわね。掃除がちゃんと出来ていない箇所は、罰として口と舌を使って掃除するのよ」

清掃委員の女子生徒が冷たく言い放った。

「はい、わかっています・・・」

弥生は逆らわずにうなだれた。奴隷が反論しても仕方がないのだ。女子トイレの個室に這いつくばり、ピンク色の舌を伸ばして便器とタイルを舐めながら、弥生は大手電子部品メーカーの秘書課に勤務していた頃を思い出して、涙ぐんだ。結婚式の日に宇宙人に拉致されなければ、今頃、青年実業家である真司と、他人がうらやむような幸せな新婚生活を送っていたに違いない。しかし、今の弥生にとって目の前の黄ばんだ便器こそが現実なのだ。

「そこが終わったら、次は、男子トイレの小便器の裏側も、黄ばみが残っているらしいから手を抜かずに、キチンと掃除するのよ。・・・あ、手、じゃなく舌を抜かずに、だったかしら」

女子生徒は、自分の言い回しが可笑しかったのか、一人でケラケラと笑った。

 

 その日の夕暮れに真司と弥生は応接室へと呼び出された。ネオガイア人のパンドラ教頭に来客あったのだ。来客は真司と弥生の奴隷ダンサー時代の教官であるニオベという、若いネオガイア人女性だった。パンドラ教頭とニオベは旧知の間柄である。

「真司、弥生、元気そうね」

ニオベは懐かしそうに言った。弥生がニオベの肩を揉み、真司がニオベの前に膝まづいて足を揉む。学校へ来る来客の接待も奴隷用務員の仕事なのである。

「ニオベ様もお元気そうで何よりでございます」

「真司、足の揉み方がうまくなったわね」

「ありがとうございます」

パンドラ教頭とニオベは談笑にふけった。どうやら、ニオベはただ遊びに来ただけらしい。二時間ほど話し込み、帰る間際にニオベがふと思い出したように言った。

「あら、そうだわ。真司、前より足揉みがうまくなったから、ご褒美を上げるわ」

真司は嫌な予感がした。

「何を頂けるのでございましょうか?」

「あなたのお腹に素敵な文字の刺青を入れてあげるわ。そうね、この学校の生徒たちにもわかるように地球人の文字で『淫乱チンポ』って書いてあげるわ」

真司はニオベの悪ふざけに青くなった。刺青ということは一生消えない。パンドラ教頭が気を利かせて、さざなみ市立第一中学の書道の先生を応接室に呼び出した。そして、自動刺青ペンを持たせると、ガクガクと震える真司の下腹部に達筆な書体で『淫乱チンポ、パイプカット済み安全』と書き込ませた。

「それから『マゾです。踏みにじってください』っていうのも書き加えて」

パンドラ教頭がアドバイスした。書道の先生は言われた通りに自動刺青ペンを動かすと文字を書き加えた。真司はチクチクとする痛みに耐えながら、情けない文字を書き込まれた自分の下腹部を見下ろして、悲しげにうなだれた。二度とこの文字を消すことは出来ないのだ。次の日から真司は、生徒たちに、廊下や教室で度々チンポを踏みにじられることになった。真司が辛そうな表情を見せると、

「だって『踏みにじってください』って書いてあるじゃん」

と指摘され、反論することは出来なかった。

 

 さざなみ市立第一中学校で模擬試験が行われることになった。試験のとき、真司と弥生は特別に重要な役割を果たす。つまり、各教室で試験が実施されている間中、真司と弥生は用務員室で緊張状態のまま待機し、試験中にトイレに行きたくなった生徒がいると、放送で呼び出され、その教室に飛んでいくのだ。

「弥生用務員。3B組まで、大至急!」

校内放送と同時に弥生はダッシュで用務員室を飛び出し、階段を駆け上った。そして指定の教室に到着すると、試験の邪魔にならないようにゼエゼエと喘ぐ呼吸を抑えて、手をあげている、男子生徒の席に近寄って行く。そして、机の下にもぐりこむと、制服のズボンのチャックを開けてチンポを取り出し、口に咥えるのだ。男子生徒は用意が整うとホッと気を許し、我慢していたオシッコを弥生の口の中に放出した。弥生はオシッコを教室の床に一滴もこぼさないように細心の注意を払ってゴクゴクと飲み下して行く。このようにして試験中にトイレに行きたくなっても、試験を途中で放棄することなく続けることが出来るのだ。一斉に試験の実施される日には、一日に何十人ものオシッコや、たまには腹痛を訴えている生徒の下痢便も飲み込まなければならないため、真司と弥生のお腹は水ぶくれで膨れ上がってしまう。

「ねえ、あなた、苦しいわ、もうこれ以上、あたし飲めない・・・」

「ゲフッ・・・が、がんばるんだ弥生。がんばるしか仕様がないんだ」

「こんな生活を一生続けなければならないんなら、死んだ方がマシだわ」

「俺たちは、死ぬことも出来ないんだ」

宇宙人につけられた首輪によって常に脳波がスキャンされているため、本当に自殺しようとすると高圧電流が流れて、死ぬ前に気絶してしまうのだ。桜井真司と弥生夫婦の最低の奴隷生活はまだまだ続く。

 

第61話 モンゴルによる世界支配の時代

 

 紀元13世紀初頭、モンゴル族の長ジンギスカンの捕虜となった久石千鶴は、セックス奴隷としての日々を送っていた。千鶴はジンギスカンの部下である将軍たちの間を、馬や羊との物々交換で転売され続け、時には最下層の兵士たちに購入されることもあった。やがてモンゴル高原を統一したジンギスカンがいよいよ世界征服に乗り出すと、モンゴル族の幕舎には被征服地から続々と世界の美女たちが送られてくるようになった。この時代のモンゴル族の男は最下層の兵士でも被征服者より略奪した数人の美女を、愛妾として所有していたと思われる。千鶴はモンゴル族のもとで数十年を過ごしたが、転売され続けていたため不老不死であることは知られずに済んでいる。時には御主人様の子供を出産することもあったが、子供が成長し、自分が不老不死であることが発覚する前に永遠に子供の前から姿を消さなければならなかった。子供には不老不死の遺伝子は継承されないのだ。やがてジンギスカンが寿命を全うし死亡すると、息子のオゴダイカンが即位し、モンゴル族による世界征服をさらに推し進めるために、ヨーロッパ遠征が計画された。遠征軍の司令官に任命されたのはジンギスカンの孫にあたるバトゥである。紀元1235年バトゥは10万人の遠征軍を率いてヨーロッパに進撃を開始した。作戦の目的は、ヨーロッパを完全に征服し、大西洋にいたるまでの平原を、牧草地とすることである。遠征の開始時点でバトゥのセックス奴隷となっていた千鶴は、遠征軍に従って、ヨーロッパに移動することになった。騎馬民族であるモンゴル人の軍団は恐ろしい速さで中央アジアを踏破し、途中のロシア人の諸国を瞬く間に殲滅した。バトゥのもとには、捕らえられたロシア人貴族の美女たちが次々と送りこまれてくる。半裸の白人美女をはべらせた、モンゴル族の宴が、連日連夜続けられた。彼女たちとともにモンゴル人に奉仕する千鶴のもとに一人の若い女が近づいてきた。女はイエスイというモンゴル族出身の侍女だった。

「何か御用でしょうか。イエスイ様」

支配者であるモンゴル族の女に、セックス奴隷の千鶴は丁寧に頭を下げたずねた。しかし、その女の口から出たのは思いがけない言葉だった。

「オマエ、コノ時代ノ人間デハナイナ」

「・・・」

無機的な女の口調に、千鶴は呆然とした。

「固体周波数ガ微妙ニ、コノ時代ノ人間トズレテイル」

「あなた、誰?何者なの!」

「許可サレテイナイ時間旅行者ハ、歴史ヲ変革スル可能性ガアル。スグニ死ンデモラワナケレバナラナイ」

イエスイであるはずの女は隠し持っていた、短刀を取り出し、いきなり千鶴に襲い掛かってきた。

「何するの!」

千鶴はかわしながら叫んだ。今はセックス奴隷として生活していても、千鶴が1300年にわたる長い人生で、数々の苦難を乗り越えてながら習得した武術のレベルは、常人をはるかに超えている。

 

イエスイは、目にも止まらない速さで短刀を繰り出してきた。そのスピードと動きの正確さは人間を超えている。千鶴は間一髪でかわし、手近に合った壷を掴むと、イエスイの頭に叩き付けた。壷は粉々に砕けたが、イエスイは平然としている。頭からは血も流れていない。

(人間じゃないわ。アンドロイド?)

千鶴はテントの外へ飛び出した。物凄い速さでイエスイが追いかけてきた。

「奴隷が逃げたわ。誰か捕まえて!不届きな女奴隷を処刑するのよ!」

イエスイが先ほどまでの無機的な声と違う、普通の人間の女の声で叫んでいる。野営中の兵士たちが殺気だった。千鶴は状況が限りなく、自分に不利であることに気づいた。

(まずい、今、捕まったら、あの女の口車に乗せられたモンゴル人に処刑されてしまう。一か八かこのまま野営地から逃げるしかないわ)

千鶴は、とっさに状況を理解出来ないでいるモンゴル人兵士たちの間をすり抜けた。

「奴隷が逃げたぞ!」

「逃がすな!脱走者は殺せ!」

千鶴は兵士の一人を殴り倒して剣を奪い、血路を切り開いた。こういう状況には慣れている。はるか昔に何度もこういう状況は経験していた。モンゴル人の馬を奪って野営地から逃走した千鶴はイエスイという女の正体について、思いを巡らしたが、いくら考えても答えは見つからなかった。

 

 西へ進撃を続けるモンゴル軍は東ヨーロッパを席捲した。騎士道を重んじるヨーロッパの諸侯たちはドイツのハインリッヒ二世の下に結集し、ポーランドのリーグニッツにおいて決戦を挑んだが、モンゴル軍の集団戦法と、世界各地で集めてきた火薬や大型投石器などの最新兵器の投入の前にあっけなく皆殺しにされた。モンゴル軍はさらにフランス、、イタリア、スペインへまで進行する構えを見せた。バトゥの幕舎の中でモンゴル人の侍女として潜入しているイエスイは考えた。

(コノママデハ、モンゴル軍ハヨーロッパヲ完全ニ征服シテシマウ。コレハ歴史ニハナイコトダ。ナンラカノ対策ヲ立テナケレバナラナイ)

イエスイはヨーロッパ遠征軍のバトゥの幕舎より姿を消した。その一ヵ月後、イエスイはモンゴル高原に舞戻っていた。そしてモンゴルの最高権力者であるオゴダイカンの寝室に忍び込んだ。

「誰だ、曲者か!」

殺気を感じてオゴダイカンがベットから飛び起きた。イエスイは無機的な声で言った。

「オゴダイカン。死ンデイタダク。ココデ、オマエガ死ヌコトガ、正シイ歴史ナノダ」

「無礼者!わしはモンゴル族の大カーンであるぞ!」

イエスイの指先から極小の針が発射され、オゴタイカンの喉元にプスリと刺さった。オゴダイカンは急に全身の力が抜けて、その場に崩れ落ちた。

(コレデ、歴史ハ守ラレル)

イエスイは表情を変えずにその場を立ち去った。オゴダイカンの突然の死去の報は、早馬を使って、遠くヨーロッパを席捲中のバトゥの元に届けられた。

「遠征は中止だ。次の大カーンに、ジンギスカンの孫である、わしも立候補しなければならん」

ヨーロッパは徹底的な破壊より間一髪で救われた。まさに奇跡としか言いようのない偶然だった。

 

 オゴダイカンの死後も、モンゴル族の世界制服の野望は果てしなく続く。ジンギスカンから数えて5代目の大カーンであるクビライカンは紀元1274年、黄金の国ジパングとして知られる日本遠征の命令を出した。モンゴル軍の大部隊を乗せた船団が朝鮮半島を出発し、手始めに対馬に上陸した。

「男は皆殺しにしろ。若い女だけ生かしておくのだ」

千人以上の住民が皆殺しにされた。若い島民の女だけが船団に持ち帰られ、散々、輪姦された挙句に、両手の掌に槍の先で穴を開けられ、紐を通して船べりから吊るされた。若い裸の女たちで飾り付けられたモンゴル軍の船団は北九州の沿岸に接近し、待ち構えていた鎌倉幕府の御家人たちと激しい戦いを繰り広げた。ここでもモンゴル軍は火薬や大型の投石器、猛毒を塗った弓矢などの大量殺戮兵器を投入し、武士道を重んじる日本の武士たちをあっけなく敗走させた。モンゴル軍が勝利したその晩、船団の停泊する博多湾上空に、銀色の飛行物体が現れた。ネオガイア星人の時間航行機である。

「クロノス博士。こんなところで、道草していないで早く現代に戻りましょう」

ネオガイア人兵士の隊長であるオデュッセウスが言った。かたわらには拉致してきた全裸の静御前をはべらせている。

「岩波教授がここにも、歴史上名高い、美女がいると言っておる」

クロノス博士は、拉致してきた全裸の常盤御前をはべらせている。

「え、ええ、そうです。オデュッセウス様。すぐに済みますから」

岩波教授はしどろもどろに答えた。本当は元寇のモンゴル軍撤退の真相を知りたいだけなのだ。本当に神風が吹いたのか。

「岩波教授。なんていう女です?早く拉致して現代に帰りましょう!」

オデュッセウスにせかされて岩波教授は困った。いくら考えても、この時代に、有名な歴史上の美女は思い当たらない。

「え、えーと、そうですね・・・」

岩波教授が答えに窮していると、突然、時間航行機のパイロットであるネオガイア人兵士が叫んだ。

「未確認飛行物体を確認しました。高速でこちらに近づいてきます!」

「なんだと、すぐにバリアを張れ。」

「未確認飛行物体より通信です」

一同が固唾を呑んだ。通信機よりネオガイア語で機械的な口調の声が流れ出してきた。

「我々ハ、時間管理局ノ、パトロール船デアル。無許可デノ時間旅行オヨビ、歴史上ノ人物ヲ誘拐シ、歴史ヲ混乱サセタ罪デ、オマエタチヲ逮捕スル」

クロノス博士が青ざめた。

「何を言ってるんだ、こいつは。時間航行機はわしが発明したんじゃ。どういう風に使おうがわしの勝手じゃ!」

「無駄ナ抵抗ハ止メテ、船ヲ明ケ渡シナサイ」

「どうするんですか、博士!」

オデュッセウスも予期せぬ展開にパニックになっている。

「ええい、時間管理局だかなんだか知らんが、やってしまえ!現代に逃げ帰ればなんとかなるじゃろう!」

「了、了解しました!」

ネオガイア人兵士たちが時間航行機に搭載されているエネルギー砲の照準を未確認飛行物体に合わせ、発砲した。しかし、未確認飛行物体の方もバリアを張っているらしく、損害を与えることが出来ない。すぐに未確認飛行物体も数倍の力で撃ち返してきた。ネオガイア人の時間航行機のバリアが裂けそうになる。

「おい、負けるな。もっと撃たんか!」

博多湾上空でエネルギー砲による激しい空中戦が始まった。流れ弾によるとばっちりで、停泊中のモンゴル軍の船団が炎上し、壊滅的な打撃を被った。こうして文永の役におけるモンゴル軍は戦いには勝ったものの撤退を余儀なくされたのである。

「いかん、バリアがもたん。別の時代へ逃げよう!」

クロノス博士は時間航行機のコントロールパネルを操作し、時空連続体の中へと逃げ込んで行った。

 

第62話 浮浪者になった女子高生(その2

 

 矢萩麻衣(現在19歳、浮浪者)が宇宙人に捕まり、脳にコンピューターチップを埋めこまれてから一年近くになろうとしていた。有数の進学校である私立聖愛女学院高校の3年生だった矢萩麻衣は、本来なら今頃は偏差値の高い一流大学に入学し、楽しいキャンパスライフを送っているはずだった。しかし、コンピューターチップの影響で自分の肉体を自由に動かすことすら出来ない麻衣は、高校を中退し、自宅にも戻らず、浮浪者生活を送っている。身にまとっていたセーラー服はボロボロになり、一見しただけではそれがセーラー服だったとは見分けがつかない。麻衣の両親が警察に捜索願いを出しているため、見つかることを恐れたコンピューターチップが麻衣に山林での潜伏生活を強要していた。麻衣は、蚊や蟻などの虫に悩まされながら、草むらで眠り、食べ物は主に木の葉や、雑草をむしりとっては、苦い味を我慢しては胃の中に押し込んでいた。時には蛙やトカゲ、虫などを捕まえては、生きたまま食べることもある。最初は抵抗があったが、極限まで追い詰められた麻衣の生きたいという欲望の方が強くなっていた。

「あたしの体を、元に戻す方法はないのかしら」

話し合い手のいない麻衣は独り言をいうのが癖になっていた。相変わらずコンピューターチップが10分に一度、体を乗っ取るため、気の休まる時がない。サディストのピタゴラス博士によってプログラムされたコンピューターは麻衣の体をワザと、崖から飛び降りさせたり、イバラの茂みの中を全力疾走させたりするのだ。山の中で一日中、10分おきに連続オナニーさせたりすることもザラである。そんなある日、麻衣はキャンプ場の跡で登山者の捨てて行った新聞を拾って読んだ。

『宇宙人襲来!さざなみ市を占拠!』

『電波ジャック、謎の怪放送。最近多発している有名人の失踪は宇宙人の仕業か!』

『政府、米との安全保障条約強化を協議』

などの見出しが出ている。麻衣はしばらく考え込んだ末に決意した。

「あたしの体を元に戻せるのは宇宙人だけだわ。さざなみ市へ行こう。もう一度宇宙人に会って、こんな風になってしまった体を元通りにしてもらうしかないわ」

麻衣は、さざなみ市に向かって歩き始めた。方向も判らず、10分おきに体の自由を奪われるため、前進するのに恐ろしく骨が折れた。以前、地理の授業で習った、さざなみ市が東海地方にある海岸沿いの都市である、という知識だけが手がかりである。人里を避け、山伝いに西へ進んで行った麻衣は、数ヶ月かかってどうにかさざなみ市に隣接する山間部までたどり着くことが出来た。そして、さらにさざなみ市に近づこうとした麻衣は、さざなみ市全域を半径50キロに渡ってスッポリと包み込んだエネルギーバリアの、さらに外側を包囲している自衛隊の陣地に迷いこんだ。エネルギーバリアの外側に近接する地域に住んでいた住人には政府から避難勧告が出され、今では自衛隊員や報道関係者の他は無人になっている。

 

「止まれ!何だお前は?」

ボロボロのセーラー服を身にまとった浮浪者の麻衣を、自動小銃を持った自衛隊員の歩哨が呼び止めた。ボサボサの髪の毛に汚れた顔の麻衣はキョトンとして自衛隊員を見返した。

「ここは、一般人の立ち入りは禁止されている。」

麻衣が何か答えようとしたとき、コンピューターが麻衣の体を乗っ取った。

「うるせえ、馬鹿野郎!」

麻衣は凶悪な表情で怒鳴ると、片足を上げて、ノーパンのスカートの下から自衛隊員のほうにオシッコを飛ばした。

「見てんじゃねえよ、このスケベ!」

「な、何なんだお前?頭、おかしいのか?とにかく、こっちへ来い」

麻衣は自衛隊員に連れられ、警備員の詰め所になっているプレハブへと連れて行かれた。その間も麻衣は罵詈雑言を止めない。

「君、どこから来たのかね?名前は?住所は?」

「あんたらに関係ねえだろう、離せよなー。さもないと、こうよ」

麻衣はいきなりブスッと大音響で屁をもらした。悪臭が取調室に立ち込め、自衛隊員たちが顔をしかめた。しばらく尋問が続いたがらちが明かないので、警察に引き渡されることになった。迎えが来るまでの間、報道関係者たちが宿営しているプレハブに一時的に預けられることになる。そこでは、宇宙人を取材にきた各国のジャーナリストたちが、なにか新しい動きがないかと、情報収集にやっきになっていた。

「あたし、宇宙人に捕まって、頭にコンピューターを埋め込まれているの」

麻衣がそうつぶやくと、たちまち、暇を持て余していたジャーナリストたちが集まってきた。フランスのフリージャーナリスト、カトリーヌ・レクレール(29歳)もその一人だった。

「詳しくその話、聞かせて頂戴。内容によっては謝礼をするわ」

流暢な日本語で尋ねた。もともと大手新聞社の日本駐在員を務めたこともあり、日本語は得意である。麻衣は一部始終を語った。

「あたし、もう一度宇宙人に会うために、さざなみ市に行かなくちゃならないの」

「でも、あのバリアは誰にも突破できないわ」

「どうしても、行かなくちゃならいのよ!でないとあたしの体が・・・・」

その時、再び麻衣の体がコンピューターに乗っ取られ、奇妙な踊りを踊りながら、自分で自分の体を爪で引っ掻き始めた。

(な、なんなの、この日本人の娘?でもあたしも、さざなみ市に潜入して特ダネをつかみたい。)

カトリーヌは自分の能力を過信する余り、勤務していた新聞社を退社し、フリーの道を選んだばかりだった。このチャンスに、多少の危険を犯してでも特ダネをものにし、自分自身を世間に売り込まねばならないと焦っている。

(さざなみ市に入り込む方法がひとつだけある・・・)

「ねえ、麻衣ちゃん。あたしに協力してくれない?悪いようにはしないわ」

カトリーヌは麻衣を警察に送り届けるという名目で、自衛隊の陣地から連れ出すことにした。

 

 一週間後、カトリーヌと麻衣はさざなみ港に物資を供給する貨物船の船倉にいた。貨物船の船長に金をつかませて頼み込み、密航したのだ。カトリーヌの計らいで麻衣は風呂に入れられ、Tシャツとジーパンという清潔な服に着替えさせられている。ただ、奇行を止めるために、猿轡をかまされ、両手に手錠を嵌められていた。カトリーヌと麻衣はコンテナに隠れて、さざなみ港に陸揚げあれた。ここから先は外部の人間は誰も入ることが出来ない。貨物船の乗員も一切上陸は許されない。二人の入ったコンテナは宇宙人に奴隷誓約書を書かされているさざなみ市民の港湾労働者たちによって、倉庫のひとつに収められた。そして数時間。息を潜めて待ち、暗くなるのを待って、コンテナから出た。麻衣の猿轡と手錠は嵌めたままだが、なぜか大人しくカトリーヌについてくる。風呂に入って清潔になった麻衣は結構美人だった。カトリーヌと麻衣は港を離れ、さざなみ市の市街地へと向かった。街灯やネオンが眩しく煌めき、一見して宇宙人の支配下にあるとは思えない普通の町並みである。

(とにかく、どこかに泊まろう。お金は日本の円がそのまま使えるはずよ)

カトリーヌと麻衣は人目を避けるために、フロントに会わないで済む、さびれたラブホテルに宿泊した。翌朝、早くに目を覚ましたカトリーヌは麻衣をホテルの部屋に残し、本格的に町を取材することにした。メインストリートはいたって普通に学生やらサラリーマンやらが歩いていたが、時折、金属のボディのアンドロイドが歩いている。スペーススーツを着た白人の一団も時折現れる。ネオガイア星人である彼らは、いたって偉そうで、彼らが通る度に地球人の通行人たちは道をあけ、土下座をして彼らが通り過ぎるのを待つのが当たり前のようである。宇宙人たちは気まぐれに、地球人を蹴飛ばしたり、鞭で打ったりするが誰も文句を言わずひたすら我慢している。交差点では地球人の警官が下半身剥き出しのフルチンで交通整理をしていた。

「あれはなんですか?」

カトリーヌが通行人に尋ねた。

「フルチンポリスだよ。あんた知らないのかね。この町の警官は全員がフルチンか、ミニスカノーパンなんだ」

カトリーヌはその姿をカメラにおさめた。しばらく歩くと今度は、中腰になった裸の若い女性の背中に跨ったネオガイア星人に出会った。宇宙人の乗り物になっているその女は美しかったが両腕が肩口からスッパリと切断されており、口には手綱を咬まされている。ネオガイア星からの観光客を乗せた人間馬だった。

(ひどいことするわ)

カトリーヌはその光景も写真に収めた。撮った写真は携帯している衛星電話の回線を使って、契約しているフランスの新聞社に転送するのだ。メインストリートをぶらついていたカトリーヌは、さざなみ市民ホールの前を通りかかり、コンサートの看板に目を留めた。

『軟体ガールズコンサート、当日チケット発売中!』

とある。宣伝ポスターの写真を良く見るとそれは数ヶ月前、突然失踪した美少女アイドルグループだった。彼女たちは半裸に近い衣装でオマンコを剥き出しにし、奇形のようなポーズを取らされている。興味をそそられたカトリーヌはチケットを買い、コンサート会場へと入場した。しばらく待っていると、やがてコンサートが始まった。司会はニュースキャスターの高畠美鈴32歳である。彼女は白い清楚なスーツを着ていたが、顔は豚鼻、ミツクチでウサギのような長い耳をつけられ、おまけに過食強制で、百キロ以上の肥満体に変わり果てていた。

「今日は軟体ガールズのコンサートに着ていただきましてありがとうございます」

美鈴が開演の挨拶をすると、たちまち野次が飛んだ。

「引っ込め、豚女―っ!恥ずかしくねえのかっ!」

「ニュースキャスターなんか、辞めちまえーっ!」

美鈴は涙ぐんだ。好きでこんな姿に改造された訳ではない。それでもプロの美鈴は涙をこらえ、平常心を保ちつつ、笑顔で司会を進行した。

「では一曲目です。今月17日にCD発売予定の新曲、『ラブジュースがあふれちゃう』です」

曲が始まり、軟体ガールズが登場した。7人の美少女で構成される彼女たちは片足を頭上に固定されたI字開脚組4人と、ブリッジした姿勢で首と足首を固定させられたΩ屈曲組3人で構成される。今回の新曲の衣装では、I字開脚組の4人の股間に、片側だけでも30センチ以上の巨大な双頭バイブが突き刺され、曲の間中振動して、曲名通りラブジュースを溢れさせるのだ。曲に合わせて歌い踊る彼女らを見ながら、観客のファンたちは囁いた。

「あれじゃ、I字じゃなくてトの字開脚組だな」

カトリーヌは、日本の芸能界で良く知られた有名人たちの、変わり果てた姿にショックを受けながらも何度も何度もシャッターを切り、衛星電話を使って新聞社に写真を転送した。

 

 リーダーの長澤葉子(24歳)がボーカルで歌い、残り3人のI字開脚組みのメンバーが、Ω屈曲組みの3人に覆いかぶさって、双頭バイブの反対側をオマンコに挿入する。そして、曲に合わせて腰を振るのだ。一本足で立っているためかなりの体力を必要とするが、厳しいレッスンの甲斐もあって、メンバー全員笑顔で振り付けをしている。奇形のような姿に改造された美少女グループは続けて、『恋の柔軟体操』、『変態レボリューション』『抜いてHOLDONME』『ラブ拷問マシーン』などの持ち歌を熱唱した。カトリーヌは痛いしい彼女たちの姿に心を痛めながらもどうすることも出来ず、コンサートが終わるとさざなみ市民ホールを出た。そして、次に立ち寄ったのはネオガイア星人が開設した公共性欲処理施設だった。ここではネオガイア星人は無料で、地球人は5000円を払えば好きな生体ダッチワイフや生体ダッチハズバントを抱くことが出来る。セックスマシーンに改造されているのは、以前さざなみ市全域で実施された美男美女コンテストの優勝者たちだった。カトリーヌは5000円を払い、一人の生体ダッチハズバントを指名した。彼は21歳の元大学生今村修平だった。

「僕の涙腺には、香水が仕込まれています。どうか、試しに泣かせて見てください。思う存分にぶっていただいて構いません。」

ベットに入ると修平は説明した。チンポは常に立ちっぱなしで萎えることの内容、性欲中枢に改造を加えられている。カトリーヌは言われた通り、遠慮なく修平の顔を何度も平手打ちで殴った。

「そんなに言うならひっぱたいてあげるわ。えいっ!えいっ!」

修平の頬は真っ赤に腫上がり、やがて涙が流れ始めると甘酸っぱい香水の匂いが部屋に広がった。

「僕の性器はパイプカット手術を受けていますので、中出ししてもお客様が妊娠する危険は全くありません。また精液はストロベリーの味がするように改造されています。ちなみに汗には催淫効果のあるフェロモンが通常の人間の1000倍の濃度で分泌されるようになっております」

「そう、便利なのね」

カトリーヌは久しぶりに思う存分セックスを味わうことが出来た。避妊具を使わず、妊娠する危険も考えなくて良いとは夢のようである。改造されている修平のチンポは何度イッても萎えることなく、カトリーヌを喜ばせ続けた。

 

 カトリーヌが生体ダッチハズバントとセックスに夢中になっていた頃、ラブホテルに一人取り残されていた矢萩麻衣は、脳内コンピューターに体を乗っ取られ、町にさまよい出ていた。

「畜生!あの恩着せがましい外人女め!こんなもの嵌めやがって」

麻衣は猿轡をどうにか外すと悪態をついた。両手を前に組んだまま嵌められている手錠の方は鍵がないため外すことが出来ない。麻衣はいつものように残飯を漁りながら町中を当てもなく、さ迷い歩き時折通行人にオシッコをひっかけたりした。この一年あまりの間にすっかり浮浪者生活が板についている。麻衣は裏通りで奇妙な生き物に遭遇した。それは、宇宙人によって5体をバラバラにされてケーブルでつなぎ合わされた、木之本恵美(26歳、公安庁捜査官)と原田慶介(28歳、会社員)だった。二人はケーブルが絡み合っていて解くことが出来ないため、数ヶ月間一緒に、路地裏を這いずり廻っている。幸いバラバラにされた手足にはそれぞれ小型の生命維持装置が取り付けられているため食料や水を摂取しなくても生きて行くことが出来る。

「な、なんなの、あなた達?」

さすがに麻衣はこの二人の姿には度肝を抜かれた。ケーブルで繋がれた先についている二人の生首の表情はうつろである。あまりの絶望感に顔が引き歪んだまま、固まっている。

「うう、死にたい・・・」

恵美がつぶやいていた。しかし、生命維持装置によって呼吸さえ必要のない彼らは例え舌を咬んでも、自分の意思で死ぬことは出来ないのだ。麻衣はジーパンのズボンを下ろすと、そんな二人の顔にオシッコをひっかけた。

「化け物!これでも食らえ」

「ひっ!」

恵美と慶介はいきなりオシッコを浴びせられ我に帰った。

「やめてよ!これ以上、ひどいことしないで!あたしが何をしたっていうの。上からの命令に従っただけじゃない!」

恵美は破壊工作のために宇宙人の母艦に侵入したことを今だに後悔しているようだった。慶介の方は完全に精神に異常を来たし、口の端からヨダレを垂らして唸っているだけである。麻衣は二人のバラバラになった体を、踏みにじったり、蹴飛ばしたりし始めた。

「あはははは!なんて惨めな生き物なの!あたしより惨めな存在がこの世にいたなんて!こんな愉快なことはないわ。最高の気分よ。これからもずーっとあなた達をいじめてあげる」

麻衣は久しぶりに明るい笑顔を見せた。さざなみ市に来た最初の目的も忘れてしまったようだ。恵美は麻衣に顔を蹴られて鼻血を流しながら、自分がこの世に生まれてきたことをひたすら呪った。

「う、うう、こんな気違い女にまで馬鹿にされるなんて!あたしなんか、生まれてこなければよかったのに・・・」

慶介は怒って唸り声を上げている。ケーブル人間の二人にはさらに心配なことがあった。生命維持装置のカートリッジを交換しなければ、そのうち死んでしまうのだ。それが一年だか二年だかは、判らない。恵美は口では死にたいと言っていても、実際に死ぬことは恐ろしいことだった。

「あたしの体を元に戻して!元に戻してくれたら何でもするわ・・・」

恵美の顔は血と涙にグシャグシャに濡れた。

 

 麻衣は分離されて地面に転がっている慶介のチンポを踏みにじった。ケーブルによって感覚は普通どおり慶介の頭部に伝わるようになっている。

「ひぎゃあああ!や、やめてくれ!俺のチンポを踏まないでくれ」

慶介が絶叫して哀願した。麻衣はそれが面白くさらに体重をかけてグリグリと踵で踏みにじり、最後にポンとつま先で蹴飛ばした。5体バラバラの慶介は抵抗出来ずに、苦痛にのたうつだけである。麻衣は次にジーパンのズボンをおろすと、地面に転がってぶつぶつ言っている恵美の顔の上に跨った。

「ちょ、ちょっと、何をする気?」

ブリブリブリ・・・と麻衣は慌てる恵美の顔の上に脱糞した。

「あああ、もう、死にたい・・・」

「あはははは!いいざまよ」

続いて麻衣は慶介の顔にまたがり、ウンチで汚れた肛門を綺麗にさせ、オマンコも舐めさせた。

「おらっ、舐めるのよ!」

抵抗出来ない慶介は言われるがままに麻衣の股間を舐めるしかなかった。その日から麻衣はさざなみ市で以前同様の浮浪者生活を始めた。コンビニやレストランのゴミ箱をあさって食料を調達し、時折、通行人の前でズボンをおろしてオマンコを見せたりする。

「見てんじゃねえよ、このスケベ!金払いな」

性質が悪く、自分で見せ付けておいて因縁をつける。大抵は無視されるか、逆に絡まれたりするのだが、ごくまれに小銭をくれる通行人もいる。そして時々、ケーブル人間の恵美と慶介の元に戻るのだ。這うことしか出来ないケーブル人間の一日の移動距離は長くても数十メートルで、一度見失っても彼らを再発見することは簡単である。ある日、麻衣が戻ったとき、恵美はチンピラ数人に輪姦されていた。彼らは時々、身動きのままならない恵美を、格好の性欲処理のオモチャとして弄びに来るのだ。バラバラになって両腕だけが元のままくっついている恵美の裸の胴体をチンピラ達が代わる代わる犯している。少し離れたところに転がってい恵美の頭部は泣きじゃくっていた。

「ううう、お願い、やめて・・・あっ、ああっ、痛い、痛いわ、乱暴にしないで!オマンコが擦り切れちゃう・・」

「や、やめろよ!お前ら」

とうとう、たまりかねた慶介の頭部が、分離されていない右足を使って、自分の胴体をよろよろと立ち上がらせた。

「そんな体で、俺たちに、何をしようってんだ」

チンピラの一人が馬鹿にしたように笑いながら慶介のボディに腹パンチを食らわせ、あっさりと昏倒させた。数時間後、チンピラたちが欲望を満たして帰っていくまで麻衣は見て見ぬふりをしていた。また時にはケーブル人間の体のパーツを餌にしようと野良犬が近づいて来ることがある。そういう場合は恵美と慶介は大声をあげて威嚇し、分離された体のパーツをジタバタと暴れさせて必死で追い払うのだ。そうしなければ間違いなく肉体を食い荒らされてしまう。野外に放置されたケーブル人間にとって、毎日が恐怖の連続であった。

 

第63話 レジスタンス

 

 宇宙人の占領下にある、さざなみ市の郊外にある空家に、数ヶ月前から、どこから世もなく現れた十数人の男女が住み着いていた。人里から少し離れた山奥にあるこの家の元々の持ち主は、宇宙人騒ぎが起こった、最初の段階でエネルギーバリアの外へ逃亡を図ろうとして家を捨て、その後どうなったか判らない。新たにやってきた住人は城山朋子(27歳、公安庁捜査官)をリーダーとするレジスタンスのメンバー達だった。レジスタンスのメンバーは捕虜にしたネオガイア星人の宇宙軍女性士官アルテミス(28歳)も連れて来ていた。もともとマゾであるアルテミスは地球人たちに奴隷の誓いを立て、宇宙人に怨みを持つ、彼らに日夜、虐待を受け続けていた。アルテミスの体はいたるところで皮膚が裂け、打撲傷で全身痣だらけになっていた。両手両足の爪は拷問で全て剥がされ、痛々しい傷になっている。

「おら、宇宙人。餌だ」

メンバーの一人である沢井守(42歳、元生命保険会社営業課長)がアルテミスの前にボール状のプラスチックの器を置いた。その中にはレジスタンスのメンバーたちの排泄物が山盛になっている。それがアルテミスの毎日の食事なのだ。

「お前の好物だ、食え」

「ありがとうございます。今日も地球人の皆様のウンチを食べさせて頂けることを感謝いたします。」

アルテミスは丁重にお辞儀をし、爪のない手でウンチを鷲掴みにして食べ始めた。リーダーの城山朋子が軽侮したようにアルテミスの食事する様子を眺めている。

「全く、汚らしいわね。宇宙人がみんなあんたみたいなマゾだったら、話は簡単なんだけど」

宇宙人に捕虜になっていた朋子の体は無残にも改造されている。両手と両足が入れ替えられ、肛門と口が付け替えられているのだ。ミニスカートをはいた下半身からは頭部がさかさまに顔を出し、ノースリーブスのシャツの首穴の部分はお尻に当たり、しかも割れ目に口が着いているのだ。さかさまになった顔面には肛門がついている。喋ったり食べたりするのはお尻の割れ目で、排泄するのは顔面なのだ。オマンコは元の場所にあり、シャツの首穴の部分に剥き出しになっている。朋子は自分をおぞましい化け物のような姿に改造した宇宙人を心の底から憎んでいた。

「アルテミス。あなたにやってもらいたいことがあるの」

「償わせていただけるのなら、何でもいたします。朋子様」

マゾのアルテミスは自分の現在おかれている状態に、この上なく幸福感を感じているようだった。

「宇宙人どもが、最近町の外れに、なにか新しい施設を作っているの。あたし達の仲間が調べた情報によれば、それは半永久的に稼動する巨大なエネルギーバリアの発生器らしいのよ」

現在、さざなみ市を包む半径50キロに及ぶエネルギーバリアは宇宙母艦オリンポスが作り出している。その役割を新たな施設に移管し、宇宙母艦オリンポスが飛び立った後も、永久的にさざなみ市を支配できるようにするのだ。ネオガイア星人はさざなみ市を地球における治外法権の経済特区として維持し、地球観光や奴隷貿易、母星では出来ない人体実験の拠点にしようという計画なのである。

「あたしたちは、明日その施設を、襲撃するわ。あなたには先頭にたってネオガイア星人と戦い、やつらを心理的に動揺させて欲しいのよ。もちろん、あなたの名前や身分も公表する方が効果的ね」

朋子は語った。傲慢で地球人を下等動物としか考えていない、ネオガイア人たちは、まさか自分たちに裏切り者が出るとは夢にも思っていないだろう。アルテミスの姿を見れば計り知れないショックを受けるに違いない。エリート部隊である白兵戦コマンドの隊長だったアルテミスは、さすがに唇を咬んだ。

「・・・仲間を殺すのですか・・・」

「そうよ、当たり前じゃない!それともあたし達に奴隷の誓いを立てたのは嘘だったの?償う、償うって言ってるのは口だけなの?」

「や、やります・・・やらせて頂きます、朋子様・・・」

アルテミスはマゾの喜びも忘れ、激しい苦悩に襲われた。

 

翌日の真夜中、レジスタンスたちの計画は実行された。建設中のエネルギーバリア発生施設は鉄条網で囲まれ、アンドロイド部隊や、ネオガイア人の兵士によって厳重に警備されている。城山朋子を始め、レジスタンスのメンバー8人は拳銃や手榴弾、爆薬で武装していた。それらの武器は、さざなみ市の警察やヤクザから横流しされたものと、スーパーやホームセンターで入手できる日用品を加工して作った手製のものばかりである。リーダーである朋子だけがアルテミスから奪った、ネオガイア製のレーザー銃を持っていた。

「アルテミス、やるのよ!」

「は、はい・・・」

朋子に指示されてアルテミスが打ち合わせ通り、フラフラと鉄条網に近づいていった。アルテミスは全身傷だらけの全裸で手には地球製の拳銃を握っている。

「少しでもおかしな素振りを見せたら、背中から撃つからね」

拳銃を持っているレジスタンスたちが全員、物陰からアルテミスの背中に照準を合わせている。アルテミスは歩くだけでも、剥がされた両足の爪あとがズキズキと痛んだ。異様な格好でよろよろと施設に近づいて来る、アルテミスを警備のネオガイア人兵士の一人が呼び止めた。

「止まれ!何物だ。それ以上近づくと撃つぞ!」

「わ、私はネオガイア宇宙軍、白兵戦コマンドの隊長、アルテミスだ!」

アルテミスが打ち合わせ通り、名乗りを上げた。

「なんだと!」

ネオガイア人兵士は意外な返答に一瞬、気が緩んだ。アルテミスは爪を剥がされ、痛む指で拳銃の引き金を引き、弾は兵士の胸に命中した。

「うわああっ!敵襲だああっ!」

兵士の叫びに、他の警備兵たちが集まってきた。サーチライトがアルテミスの傷だらけの裸身を照らし出す。

「ア、アルテミス隊長!どうしたんです、その姿は?」

警備責任者のテッセウスが叫んだ。以前、白兵戦コマンドでアルテミスの部下だった男である。

「テッセ・・ウス?・・・あ、あたしは償いをするために、地球人様の奴隷になったのよ。毎日、地球人様のウンチやオシッコを食事の代わりに有難く頂いているわ!」

狙い通り、ネオガイア人兵士たちの間に動揺が広がった。アルテミス隊長といえば宇宙軍でも名の知れたエリート士官である。アルテミスは驚いている同胞たちに拳銃を乱射した。

「ぎゃあああっ!」

「気でも狂ったのですか?隊長っ!」

数人のネオガイア人兵士が撃ち倒され、パニックになった。朋子はほくそ笑んだ。

「今よ!全員突入!」

レジスタンスの一人が手榴弾を投げ、鉄条網が破れた。穴の開いた箇所から、8人のレジスタンスが次々と施設の敷地内へ駆け込んで行く。朋子もガニ股で懸命に走った。股間から生えた頭部が邪魔になって普通には走れないのだ。朋子は走りながら、レーザー銃で集まってきたアンドロイド部隊をなぎ払った。

「う、ううう・・・あたし、なんてことを・・・」

混戦の最中、アルテミスは自分のやってしまった事におののき、その場にうずくまってすすり泣いた。そして、奈落の底に落ちて行くような恐怖に激しく嘔吐し、胃の中に溜め込んでいた、レジスタンスたちの排泄物を激しく吐き散らした。

 

 レジスタンスの襲撃は成功した。エネルギーバリアの発生装置は損害を受け、建設工事は大幅に遅延することになった。しかし、代償も大きかった。突入した8人のレジスタンスのうち、4人が帰らぬ人となった。作戦は成功したものの、郊外のアジトへ逃げ戻った朋子は無力感に襲われた。

(駄目だわ。この程度の破壊活動では宇宙人を地球から追い出すことなんて、とても出来ない・・・)

険しい顔つきで黙り込む朋子に、元刑事の神田正之が缶ジュースを手渡した。朋子は無造作に尻の割れ目の口から、缶ジュースを飲み干した。

「そう、落ち込むなって。あんたの立てた作戦は、見事に成功したんじゃねえか。実際あんたは良くやってるよ」

「仲間が、4人戻らなかったわ!」

「まあ、仕方ねえな。戦争に犠牲者はつきものだ。そういや、あの宇宙人のマゾ女はどうなったんだ?」

「判らない。・・・流れ弾に当たって死んだんじゃないかしら」

それどころではなかったのだ。レジスタンスのリーダーである朋子は、明日からまた別のプランを考えなければならない。

 

第64話 作者の受難

 

『生体実験』スレの作者(年齢不詳、職業不明、性別男)はパソコンに向かって、キーボードを叩いていた。最近、広がり過ぎたストーリーと世界観に戸惑いを覚えている。増えすぎた登場人物の設定を覚え切れていないことも悩みの種である。しかし、一円の儲けにもならないが、始めてしまった以上途中でやめるわけにもいかず、読者のリクエストを取り入れながら、仕事の合間を縫っては執筆を続けていた。ある日、パソコンに向かう作者の体全体が、突然、白い光輝に包まれた。

「こ、これは、まさか・・・」

作者が物質転送機で拉致され、実体化したのはネオガイア星人の宇宙船の中だった。

「ようこそ、作者君、君かね、我々のことを小説にして、無断でネットに発表しているというのは?」

数人の銀色のスペーススーツを着た白人の男女が目の前に立っていた。全員が氷のような冷たい眼差しで実験動物を見るように作者を見下ろしている。宇宙拷問研究所のピタゴラス博士、女性解剖医のアテナとビーナス、宇宙調査船のクルーであるソクラテス船長、プラトン、アリストテレスたちである。

「これ以上、君の勝手な執筆を許しておく訳にはいかん。他の地球人と同様に、我々の奴隷となるのだ。生まれてきたことを後悔する位の恐ろしい拷問にかけてあげるよ」

ピタゴラス博士が言った。作者はパニックになり、気が狂いそうだった。

「そ、そんな馬鹿な!そ、それに、俺が捕まったら、誰が小説の続きを書くんだ?」

「そんなこと知らないわ。多分、多元宇宙のあなたが書くんじゃない?あなた、小説の中で自分でそういう理論を解説してたじゃない?」

ビーナスが笑いながら冷やかすように言った。

「ひいいっ、助けてくれっ!」

作者は暴れて逃げようとしたが、すぐにアンドロイド兵士によって取り押さえられた。

 

 作者はアンドロイドたちの手によって、衣服を引き裂かれ素っ裸にされて宇宙人たちの前に引き据えられた。

「捕まえた他の地球人には、命令に逆らうと電流の流れる奴隷用の首輪をつけているんだがね。君には特別に、電流の流れる極太のアナルストッパーをつけてあげるよ」

ピタゴラス博士が助手のビーナスに合図した。アンドロイドによって取り押さえられている作者は抵抗することが出来ず、ビーナスの手によって肛門に、直径7センチ、長さ30センチの円筒形の金属棒をねじ込まれた。

「うわああっ、やめてくれえ、肛門が裂けちまう!そんな太いもの入るわけないじゃないか!」

「うるさいわね!地球人の肛門なんていくら裂けても構わないのよ。奴隷に選択する権利はないわ」

ビーナスは渾身の力をこめてねじ込んだ。

「うぎゃあああっ!」

金属棒は根元までスッポリと作者の肛門にねじ込まれた。当然、作者の肛門は裂け、おびただしく出血している。ピタゴラス博士が説明を始めた。

「その金属棒には脳波センサーが内臓されている。君がもし、我々に逆らったり、抵抗しようとしたら、自動的に高圧電流が流れるようになっている。例えばこんな風に・・・」

ピタゴラス博士が作者の顔をいきなりビンタした。カッとなった作者は反射的にピタゴラス博士に殺意を覚えた。次の瞬間、肛門に突き刺さった金属棒から高圧電流が流れ作者の下腹部を駆け巡った。

「ぎゃああああっ!」

作者はあまりの苦痛にのたうちまわった。ピタゴラス博士はさらに説明を続ける。

「当然だが、その金属棒を埋め込まれている間、君は排泄をすることが出来ない。挿入したときに自動的にロックがかかるようになっていて、電子キーを使わないと中心を通っている排泄管の開口部が開かない仕組みになっている。つまりだ、排泄するときは、その電子キーを持っている、我々のうち誰かに解除してもらわなくてはならんということだ。ちなみに電子キーは一つしか作ってないから、もし無くなったら終わりだな。」

「そ、そんな・・・人の体をオモチャにしやがって・・・」

作者は涙ぐんでいた。

 

 作者は宇宙船の中で自由行動を許された。極太の電撃棒を肛門に埋め込まれているため、逃走したり、ネオガイア人に危害を加えたりすることは出来ない。衣服の着用は許されず、全裸で、歩くたびに肛門が痛むため、がに股である。食事は雑用アンドロイドに頼めば、チューブ入りの宇宙食を貰うことができる。問題は排泄だった。

「あのう、すいません、ウンチがしたいんでアナルストッパーのロックを解除してもらえないでしょうか?」

作者は通路で、たまたま通りがかったプラトンに頼んだ。

「あーん?ストッパーのロック?そんなもの持ってねえよ!忙しいんだ。どいてくれ」

「ど、どなたが持っていらしゃるのでしょうか?」

「知るか・・・ああ、そういえば、ビーナスが持ってたかもな」

作者は情けない気分でビーナスの姿を捜し求めた。宇宙船は今、科学技術省の調査船と宇宙拷問研究所の宇宙船がドッキングしたまま、軌道上を漂っている。作者は長い時間をかけ、ビーナスのプライベートルームを探し当てた。

「ビーナス様・・・ウンチがしたいんで、ストッパーのロックを解除してください。」

ドアが開き、部屋から出てきたビーナスに、作者は土下座をして頼みこんだ。

「なんなの?奴隷のくせに、あたしを呼び出すなんて。生意気にもほどがあるわ」

「お願いします。キーをお持ちなら、ストッパーのロックを解除してください」

「確かに、キーは今、あたしが持っているけど。あたし今、疲れているのよ、悪いけど今度にして」

「そ、そんな、お願いします。お腹が痛くって・・・」

執拗に食い下がる作者に、とうとうビーナスは激怒した。

「うるさいわ!生意気よ、お前!そんなにロックを解除して欲しかったら、朝までにオナニー30回しなさい。そうしたら解除してあげるわ!」

330回・・・」

作者は絶句した。ビーナスはそれだけ言うとドアを閉め、作者の前から姿を消した。作者はしばらく呆然としていたが、無事ウンチをするためにはビーナスの命令どおり、オナニーをするしかなかった。作者はビーナスの部屋の前の通路に座り込むとチンポを握り締め、懸命にオナニーを始めた。

 

 オナニーを始めて、最初の10回ぐらいはイクたびに精液が飛び散った。しかし、それ以上回数を重ねると、ただチンポが痙攣したようにビクンビクンと動くだけになった。快楽などはなく、ただただ苦痛だったが、30回イクまでオナニーを辞めるわけにはいかない。ロックを解除してもらって排泄しないと、いずれ腸が破裂して死んでしまうだろう。宇宙を漂う宇宙船の中では夜明けがいつなのか、全くわからなかったがそれでも、作者は再びビーナスが部屋から出てくるまでに30回のオナニーをやりとげた。作者が疲労のあまり眠り込んで、すぐに、ドアが開いてビーナスが出てきた。

「まあ、汚らわしいわ!本当に30回もオナニーしたの?」

作者はビーナスに蹴飛ばされて飛び起きた。

「お願いします。ビーナス様、アナルストッパーのロックを解除してください。御命令通りやりとげました」

作者は泣きながら、床に飛び散ってカピカピになった精液を指差した。それを見てビーナスは激怒した。

「なんて事してくれたの?ここは、あたしの部屋の前よ!」

「御命令通り、やっただけです・・・お願いします、解除してください・・・」

「うるさいわね!解除してあげるわよっ!急ぎなさい、排泄口が開いているのは3分間だけよ」

「ありがとうございます、ビーナス様っ」

作者は全力疾走でトイレに駆け込んだ。このチャンスを逃せば、次はいつアナルストッパーの排泄口を開けてもらえるか、わからない。作者は以前から目をつけていたトイレの個室に飛び込んだ。そこには地球の洋式トイレに良く似た形の便座があり、便座の底に人間ウォシュレットに改造された内田美菜(現在18歳)の生首が埋め込まれている。作者は便座に座ると、アナルストッパーの金属棒の端を美菜の生首に咥えさせ、水洗レバーを引いた。給水タンクからチューブを通して洗浄水が美菜の鼻の穴に流れ込み、その水が美菜の口から、作者のアナルストッパーへと注入される。洗浄水が作者の大腸へと流れ込み、固まった排泄物を柔らかくするのだ。

「美菜、もっと、勢いよく注入してくれ、時間がないんだ」

作者は自分が想像した登場人物のことは良く知っている。美菜は作者が自分をこんなひどい目に合わせるようなストーリーを作った張本人だとは知らずに、命令通り、懸命に洗浄水を送り込んだ。ブリブリブリ・・・作者が軟便になったウンチを排泄すると同時に、アナルストッパーの排泄口が閉じた。間一髪だった。これでしばらくは、排泄の心配をしなくてもすむ。歯の無い美菜の口の中は作者のウンチで溢れかえった。首から下の胴体は無いため、ウンチを飲み込むことは出来ない。自分で全て吐き出すか、清掃用アンドロイドに吸い出してもらうしかない。スッキリした作者は再び、宇宙船の通路へとさ迷い出た。

 作者は途方に暮れていた。自分が想像した登場人物に、なぜ責められなければならいのか、よくわからない。とにかく、夢ではないようだ。宇宙船から逃げるとも出来ない。

(これも、運命かもしれない・・・小説の中で、何の罪もないのにいきなり拉致されて、拷問されたり、殺されたりした登場人物たちの怨念かな・・・)

作者がブツブツと独り言を言っていると、アテナが通りかかった。アテナは作者の足元に、持ってきた使い古しの銀色のブーツの片方を投げた。

「拾いなさい。あたしのブーツよ。あなたの宝物にして、肌身離さず持っていなさい」

作者はブーツを拾い上げた、御丁寧にもショルダーベルトが付けられていて、首にかけれるように加工してある。ブーツの中からは強烈なアテナの汗の臭いがした。

「それで、臭いを嗅ぎながら、オナニーでもするのね。もし、捨てたり、どこかに置き忘れたりしたら、どうなるか判っているわね?」

「は、はいアテナ様、死ぬまで、肌身離さず持っています。素敵な宝物を下さり、ありがとうございます」

作者は心にもないことを、調子よく言った。アテナは機嫌を良くして鼻歌を歌いながら去って言った。首からアテナのブーツをぶらさげ、肛門には一生抜けない極太の金属棒を突っ込まれた作者は、全裸で宇宙船の中をさ迷った。やがて通路を清掃中の内田美菜の首から下の肉体を発見した。小型のコンピューターを埋め込まれた首なし美菜の肉体は雑用アンドロイドの代わりに使用されている。作者は首なし美菜を押し倒し、犯そうとした。

「ヤメテクダサイ、今ハ、掃除中デス」

「いいじゃないか、お前も俺が想像したんだ」

18歳の美菜の肉体は若々しく、みずみずしかったが、作者のチンポは昨晩の30回連続オナニーのため、感覚がなく、勃起しなかった。

「くそっ、残念!」

ふと作者は次のストーリーは誰が書くのだろうと、疑問に思った。

 

 

 

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